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よくある遺産相続の問題と解決策を紹介
誰にでも訪れる遺産相続という問題。
親族や兄弟が多ければ、その問題は大きくなっていくていくでしょう。
しかし、あらかじめ遺産相続問題の解決策を知っておくと、いざそういう場面になったときに適切な対応することができます。
また、どのようなトラブルがあるのかも知り、遺産相続問題についての知識を得ましょう。
相続人同士の問題の例と解決策
遺産相続には、トラブルがつきものというほど、よく遺産相続は揉めるというイメージがあります。
では、遺産を相続する相続人同士での問題の例と、その解決策についてお教えいたします。
遺産を独り占めしようとする相続人がいるケース
被相続人の配偶者や子供、そして両親には、遺留分というのが発生します。
遺留分は、被相続人本人の意思とは関係なく強制的に適用され、相続できる割合については権利があります。
つまり、被相続人がどんな意思を示したとしても、遺留分として一定の割合で相続できる権利があるということです。
この遺留分の権利行使のときのために必要なことは複雑なため、弁護士や行政書士などにまずは相談してみると良いでしょう。
相続人と連絡が取れないケース
行方知らずな人を差し置き、残りの相続人の間で遺産分割のための協議はしてはいけない決まりになっています。
仮に行方不明者がいたとしても、相続人としての権利はその行方不明者にもあるからです。
もし、相続人の中に行方不明者がわかっている場合は、あらかじめ遺言書を作成しておくと良いでしょう。
その遺言書があれば、遺産分割の協議は不要です。
未成年者が相続人となっているケース
相続人が未成年者であっても遺産の相続権利はあります。
しかし未成年者が遺産相続の協議に参加する場合、法定代理人の同意が必要です。
未成年者は法律行為を基本単独で行うことは許されておらず、未成年者を守るためには保護者が必要なのです。
しかし、例えば親子3人で父親が死亡したとなると、法定相続人として母と子供は共同で遺産相続する利害対立関係が発生します。
このような状況では特別な配慮が必要であり、未成年者1人に対して1人の特別代理人という存在を用意しなくてはいけません。
特別代理人を選ぶための手続きは、子供の住所地を管轄している家庭裁判所で行えます。
遺言に関する問題と解決策
遺産相続問題には、遺言に関する問題もございます。
どのような遺言に関する問題が起きるのかを知り、いざいというときのために備えておきましょう。
遺言が見当たらないケース
いつ死ぬかはわからないもので、昨日まで元気でも急死することはあります。
それを予測することはできないため、家族の誰かが急死してしまう可能性は捨てきれません。
この急死した場合、遺言が見当たらない場合ということがあります。
まずは遺言は本当にないのかどうかを確認することが重要です。
しかし、このようなことが起きてしまうことを防ぐためにも、被相続人は生前に遺言を残すことや、遺言書を保管している場所をあらかじめ皆に伝えておくことが大切です。
後から遺言が見つかるケース
遺産相続の協議を行った後にもし遺言書が見つかった場合は、その遺言の効力はなくならずに有効ですので注意しましょう。
遺産相続協議と遺言を比べて、反することはすべて無効となります。
しかし、協議して決まったことを維持しようと相続人全員が合意した場合は、その合意が優先されます。
1人でも合意しない相続人がいた場合は、さらに協議が必要です。
ですが、あくまでも後から見つかった遺言は優先となりますので、そこは覚えておきましょう。
遺言の内容が不当な内容であるケース
遺言は被相続人の意思のもとに作成されるため、なかには相続人全員に公平とはいかずに、差別的なものになっていたり不当な内容だったりすることもあるでしょう。
こういった不当な内容だったりすることが、遺産相続問題に発展してしまいます。
こうなってしまわないために、遺留分権利者は遺留分減殺請求ということができます。
この請求をすることで、本来受け取るはずの遺留分をきちんと受け取ることができます。
そして、不当な内容の遺言書がでてきた場合は、遺言書の効力をまずは先に確認しましょう。
その他よくある問題と解決策
相続人同士の問題や遺言に関する問題、それぞれの解決策についてわかって頂けたところで、続いてはその他のよくある問題とその解決策についてです。
遺産相続問題は簡単なことではなく、ありとあらゆる問題がございます。
詳しく見ていきましょう。
被相続人に多額の借金があるケース
残された財産でトラブルということもありますが、なかには被相続人に借金があったことが発覚してトラブルとなることもあります。
もし、被相続人に多額の借金が残されていた場合、原則的に負債も相続の対象となりますが、相続放棄をすることで負債を負わなくても大丈夫です。
遺産相続は必ずしもしなくてはいけないことではなく、相続しなくても良いというときには相続の権利を放棄をすることができるのです。
また、相続財産をもって負債を弁済した後に、残った財産を相続できる限定承認という権利もあります。
遺産が不動産しかないケース
遺産はお金だけではなく、不動産ということもあります。
不動産の場合は相続人たちで分割はしにくいものです。
このような場合は、不動産を売って現金化して相続人で分割する換価分割、現物分割といった個々の遺産をそれぞれ分けるという方法もあります。
その他にも、代償金を支払わなくはならない代償分割、個々の遺産を相続人たちで共有して相続する共有分割といった4つの分割の仕方があります。
代償分割は、例えば土地を2人で分割するときに、どちらか1人が土地など全て相続した後に、もう1人にその土地代の半分の金額を支払うという方法です。
相続人が認知症の場合
可能性として、もし相続人が認知症を発症していた場合、認知症は正しい判断をする判断能力を衰えているため、法律行為である遺産分割を行うことはできません。
知的障害の方や精神的障害の方も同じ対象となります。
この場合は、成年後見制度を利用する必要があるでしょう。
成年後見人は、家庭裁判所が選び、本人の代理人として支援と保護を行います。
親族であったり弁護士、社会福祉士などが選ばれやすいです。
相続問題と無縁だと思っている人こそ知っておこう
遺産相続問題は、誰にでも起こりうる問題です。
決して他人事だとは思わず、知識を身に付けておくことが必要です。
自分には無縁だからと無知なままでは、いざそのときになったら困るのは自分自身ですので、相続の問題をしっかり受け止め、そのときになったらしっかり対応できるようにしましょう。