警察官の年収|人気職業の給料形態や支給される手当について迫る

警察官の年収|人気職業の給料形態や支給される手当について迫る

家計の知恵 2018.08.15

国民の暮らしを守る警察官の年収はいくらなのか

昔から人気の高い職業、警察官。国民の安全を守るために日々厳しい職務にあたっています。そんな警察官の給料事情をご存知ですか?警察官は一般的に激務といわれており、その分年収も高くなっています。
本記事では警察官の基本庭な職務とともにその平均年収、また基本給とは別に支給される手当について解説していきます。警察官の給料事情についての知識を深め、警察官の生活を支えていく備えの参考にしてください。

警察官全体の平均年収はいくらか

まず初めに、警察官全体の平均年収を見ていきましょう。全警察官の平均年収は、約800万円といわれています。ただし、これは諸手当やボーナスを含めた平均年収です。警察官の給料は、通常の収入とは別に手当が加算されます。これは、一般の会社員にはあまり見られない、危険な職務に直面することもある警察官ならではの事情と言えるでしょう。
したがって、警察官の諸手当を省いた基本給は、他の行政職員と比較してやや低い傾向にあります。実際、手当を含めない警察官の平均月収は、約33万円という数字が出ました。これは一般企業における管理職に当たる警視、課長なども含めた金額ですから、決して高いとは言えません。通常は、これに諸手当が加算され正式な給料として支払われます。
警察官の年収を調べる際は、諸手当の存在を頭に入れておきましょう。

警察官の分類について

警察官にはいくつかの分類がある事をご存知ですか?それにより、給料形態はもちろん、出世のしやすさまでも違ってくるのです。この分類は、単純な学歴の違いではありません。もちろん大卒と高卒の警察官では初任給に差はあるのですが、一般的に警察官にはあまり学歴の壁は存在しないといわれています。この分類の裏側には、警察ならではの特殊な事情が隠されています。
警察官の年収について知っていく前に、この分類についての知識を深めましょう。

キャリアによって異なる職種別平均年収

警察官には「キャリア」と「ノンキャリア」という枠組みが存在します。警察官のうち、総合職がキャリア組、一般職がノンキャリア組と呼ばれます。そして、総合職の中の一部が、技術職に該当します。
このキャリア、ノンキャリアの分類により、平均年収の額には違いが見られます。キャリア組は大学を卒業しなおかつ狭き門であるキャリア採用を通過しなければなりません。このため、キャリア採用組の方がノンキャリアの警察官よりも平均年収が高くなります。

出世が期待できるキャリア

国家公務員試験Ⅰ種を通過しなければならないキャリア採用枠は、将来の幹部候補として迎えられます。無事キャリアとして採用されると、国家公務員かつ総合職で警察官として勤めることになるのです。
警察官のキャリアは、ノンキャリアと比較して出世のスピードがとても速いことが特徴。ノンキャリアの場合、採用後はまず巡査として働くことになります。対してキャリアは、初めから警部補という階級からスタートします。キャリアとして採用されると、全国約29万人ほどの警察官を総括する警察官僚という立場になることを期待されます。

一目置かれる仕事のプロ準キャリア

キャリアとは別に「準キャリア」という枠組みも存在します。この準キャリアは、キャリアとノンキャリアの中間、という立ち位置にあります。国家公務員試験Ⅱ種に合格し採用されなければなることができず、比較的早い出世を見込むことができます。
警察庁や都道府県警察で勤務をし、責任のある立場を任されることも多いです。

一番多いノンキャリア

キャリア、準キャリアではなく一般の採用試験を通過し採用されるのが、この「ノンキャリア」です。交番で働くいわゆるお巡りさんなど、一般市民に身近な警察官の多くはノンキャリアに該当します。
ノンキャリアはキャリアや準キャリアに比べ、年収は低い傾向にあります。また、出世のスピードも遅く、このノンキャリアで採用された場合、最高でも警視正という役職までにしか就くことができません。
全国の警察官の中で最も多く占めるのが、このノンキャリアです。

年収は年功序列となる実態

警察官の年収の形態をご存知ですか?警察官は多くの場合、年齢とともに階級が上がっていき、それに伴い年収も高くなっていきます。警察官の年代別の平均年収を見てみると、20代前半の場合約460万円、30代前半は約630万、40代になると800万円を超えてきます。このように、年齢とともに年収も変化することが普通です。
階級を上げるためには昇進試験を受ける必要があり、警察官としてキャリアを積み上げるには日々勉強に励まなくてはなりません。警察官の各役職の人数は決められているため、退職者がいなければ新たにその役職につくことはできません。したがって、昇進への競争率は高いと言えるでしょう。

初任給について

警察官として採用された場合、気になるのはやはり初めに支給される給料、”初任給”の額ですよね。警察官は責任のある職業ですから、通常の会社員と比べ、初任給にも差が見られるのでしょうか。

約24万6000円もらえる国家公務員の警察官

まず初めに、キャリアと準キャリアに該当する国家公務員として採用された警察官の初任給を見ていきましょう。国家公務員という立場もあり、平均約24万6000円という、初任給にしては高額な給料を受け取ることができます。
ただし同じ国家公務員でも総合職、一般職枠でも違いが見られます。また、大学院卒、大学卒などの学歴により同じ総合職でも給料には差が出てきます。

約25万2000円もらえる地方公務員の警察官

続いて、地方公務員として警察官になった場合の初任給はどうでしょうか。こちらも国家公務員の場合と同様、学歴により差が見られます。大学を卒業し警察官として採用された場合は、25万2000円を初任給として受け取ることができます。それに対し、高卒の場合は21万2000円です。
ただしこれは警視庁、つまり東京都で地方公務員として採用された場合です。この初任給の額は、都道府県ごとに定められています。

中途採用の場合の初任給は気持ち高くなる

新卒ではなく、中途採用で警察官になった場合、初任給に影響は見られるのでしょうか。もちろん地域により違いは見られますが、一般的に新卒採用の人よりも中途採用の場合の方が、初任給はやや高くなる傾向にあります。中途採用者の初任給が高い地域の場合、新卒者に比べ3、4万円給料が高くなることもあります。

はじめは地方公務員の方が高い

意外に思えることですが、初任給のみに注目すると国家公務員よりも地方公務員の方が高い給与を得ることができます。つまり国家試験を潜り抜けてキャリア採用された人より、大学を卒業後ノンキャリアとして採用された人の方が、初任給は高くなることがあるのです。
ただし、これは初任給の話。キャリアは昇進のスピードが非常に早く、それに伴い給料も増加しますので、総合的に見るとキャリアの方が高額の給料を見込めます。

基本給について

続いては警察官の基本給について見ていきましょう。警察官として勤めるには、もちろん責任とやりがいをもって職務を全うしていく必要があります。しかし、モチベーションを上げるための材料として、給料は知っておくべき情報です。警察官として努力をすることで、どのくらいの給与を得ることができるのかを知り、将来の設計に役立てましょう。

平均給与約39万8,000円もらえる国家公務員の警察官

まず初めに、国家公務員としての警察官の平均給与額を見ていきましょう。国家公務員で採用された警察官の平均給与額は、約39万8,000円とされています。これはすべての国家公務員の平均を記した額であり、もちろん階級などにより給与額は変わってきます。
このうち、巡査から課長・所長までの階級の場合は、公安職俸給表に記載されている額が給与として支給されます。それ以上の階級である警察庁長官、警視総監、警視次長クラスになると、指定職俸給表の記載額が適用されます。

平均給与約33万3,000円もらえる地方公務員

一方、地方公務員の場合はどうでしょう。国家公務員が同じ階級であれば一律同額が支払われるのに対し、地方公務員は地域により基本給の額に違いが見られます。
地域差はありますが、国家公務員の場合と同様に公安職給料表に基づいて給与は支給されます。

手当について

警察官の給料を語るうえで欠かせないのが、職務に基づき支給される諸手当です。警察官の給料は、基本給とは別に支給される手当も併せて考えていきましょう。警察官は場合によって危険な現場にも立ち会う仕事ですから、特別手当の存在は大きなものです。基本給とは別に、この手当についても深掘りしていきます。

手当は種類も金額もさまざま

一口に手当と言っても、その種類はさまざまです。警察官として従事する者の生活をサポートする生活給的手当もあれば、業務に密着した超過労働的手当も存在します。
その金額は年ごとに決定されているため、地域差も見られます。一般的に、地方都市よりも東京などの大都市圏でおほうが、多額の手当が支給される傾向にあります。また、地方公務員と国家公務員とでも支給額には差が生まれることも、覚えておきましょう。

生活給的手当について

こちらの生活給的手当は、警察官の日々の生活に関連した種類の手当を指します。警察官の職務は危険が伴うものですから、このように勤務に直接関係のない生活給も支払われることは、ぜひ覚えておいてください。この生活給的手当にはいくつか種類がありますので、順番に見ていきましょう。

家族がいる場合の扶養手当

手当を受ける警察官に配偶者や子供などの家族がいる場合、「扶養手当」を受け取ることができます。
支給額についてですが、配偶者につき1万3,000円、配偶者以外の者一人につき6,000円が支払われます。つまり、家族が多ければ多いほど、警察官の収入は増えていくことになります。また、扶養親族以外の者がいる場合でも一定の手当が支払われます。
このような事情から、警察官は家庭を持った際の負担が大きく軽減される職業であると言えます。

地域ごとに割合が決められている地域手当

警察官に支払われる手当として、「地域手当」があります。この地域手当は、地域ごとに支給割合が決められており、毎月支給されます。そもそもなぜ、この地域手当は存在するのでしょうか?
警察官は公務員であるため、年収が署ごとには定められておらず、全国一律で給料が決まっています。そのため、地域の物価によって経済的な豊かさに差が生まれてしまいます。この地域手当は地域ごとの物価の差を考え、水準を合わせるために支給されるものです。そのため、東京都などの大都市圏の方がこの地域手当の割合は高くなる傾向にあります。

その他生活に必要な住居手当や通勤手当

生活に密着した手当として、住居手当や通勤手当の存在も欠かせません。住居手当はその名の通り、警察官の家賃保証として支給される手当です。最高で2万7,000円もの手当を受け取ることができます。また、単身赴任者には特別に単身赴任手当も支給されます。
通勤手当は、警察官が職場に通勤する際にかかる距離により、その支給額が変化します。交通機関使用者のみならず、自動車通勤者も支給対象になりますので、多くの警察官が恩恵を受けられる手当です。

超過労働的手当について

警察官の手当には、勤務時間に関連する「超過労働的手当」が存在します。一般企業における残業代と近い存在でしょう。警察官の職務は時間通りに終わらず、残業となるケースも多いです。超過労働的手当は、そのような場合に支給されます。また、丸一日勤務にあたる宿直手当や、休日に出勤する際に支給される休日勤務手当も、超過労働手当に該当します。

1時間当たりで計算される超過勤務手当

超過勤務手当は、勤務時間外に仕事を行った場合に支払われる手当のことです。つまり、一般企業における残業代といえるでしょう。支払額の割合が細かく設定されていることが特徴です。1時間当たりの給与額の25%から160%の金額が支給されます。この割合は、深夜の場合や休日の場合など、労働した時間帯などにより変化します。

当直の度にでる宿直手当

宿直手当は、当直となった際に支払われる手当です。当直は深夜から朝方まで勤務を行うため、基本給とは別に手当が支給されます。当直一回につき、7,200円が支給されます。当直は長時間勤務の激務ですが、このような手当が支給されることを覚えておくと良いでしょう。

休日勤務手当とは

警察官が休日に出勤となった場合に、この休日勤務手当が支給されます。休日勤務手当は、1時間あたりに給与額の135%を受け取ることができます。警察官は場合によって非番であっても勤務にかり出されることがありますが、その代わり手当が充実していることを抑えておくと良いでしょう。

夜勤手当になる職務的手当

交番勤務の警察官の場合、24時間交代制の勤務形態がとられています。そのため、昼夜問わず勤務を行います。夜間に勤務を行う警察官は、基本給とは別に夜勤手当を受け取ることができます。
夜勤手当の支給額は、1時間あたりの給与の25%の額が、1時間ごとに支給されます。

ボーナスになる賞与的手当

一般企業の会社員と同じように、警察官にもボーナスにあたる賞与が存在します。それが、この賞与的手当です。賞与的手当は年に二回支給されます。国家公務員と地方公務員とで、この賞与的手当の支給額には差が見られます。賞与的手当の額は月収をもとに計算されるため、収入が高くなるにつれ、この手当の支給額は高くなっていきます。

警察官の安定性について

世間から安定した職業との定評があるのが、公務員です。警察官もそんな公務員に該当します。実際のところ、警察官は就業面などにおいて安定性があると言える職業なのでしょうか?
ここでは、警察官の職業としての安定性を見ていきましょう。また、警察官を辞め転職を考える場合に、どのような再就職先が向いているのかも併せて見ていきます。

公務員としての安定性はある

公務員は一般企業の会社員と違い、会社が倒産する危険性はないと言えるでしょう。その面でいえば、警察官には安定性があります。しかし、「公務員になれば、どんな時でも安定して給料がもらえる」と安心してばかりもいられません。国の有事の際には、公務員の給与カットは行われるのです。実際に、東日本大震災の時に国家公務員の給与はカッとされた、という事情があります。
また、警察官の職務には危険がつきもの。勤務中にトラブルに巻き込まれるリスクもあります。ただ安定性を求めるために警察官になる、というのでは厳しい職務をこなしていくことは難しいでしょう。

警察官から民間企業へ転職する人も

警察官は、誰にでもなることのできる職業ではありません。体格などの基準がありますし、採用されるためには試験を突破する必要もあります。しかし、そんな警察官として活躍するようになった後で、自ら職を辞して民間企業へ転職する人もいます。
職務は厳しいものの、さまざまな手当が充実し給料面では恵まれている警察官。そんな警察官を辞める理由は、一体どのようなものなのでしょうか?

警察官はプライベートな時間がない

警察官は1日の勤務時間が10時間を超えることも珍しくありません。休日を返上して出勤する場合もありますし、宿直勤務もあります。このような激務にプライベートな時間を奪われることを苦痛と考え、民間企業への転職を考える警察官は少なくないのです。

元警察官が活躍できるフィールドは

警察官として働いたことのある人が転職先を探す際、どのような企業への就職が有利になるのでしょうか。警察官は精神的にも安定している必要があり、なおかつ強靭な肉体がなければ厳しい職務には耐えられません。警察官時代に養われた心身の強さは武器になるでしょう。冷静さ、協調性、体力などをアピールポイントとして、自動車学校や警備会社への就職が有利となります。
これらの民間企業は警察官時代と比べ収入が下がることが多いですが、その分プライベートな時間が持てるようになるというメリットがあります。
転職は、当然年齢が若ければ若いほど有利となります。もし警察官を辞め、転職を考えるならば、早い段階で決断を下した方が賢明でしょう。

刑務官や検察官との違いとは

警察官と似た存在として、「刑務官」や「検察官」などの職業が存在します。どれも公務員であることから、比較対象に挙がることが多いのです。では実際に、刑務官や検察官は警察官と比べ、どのような点で異なるのでしょうか。ここでは、刑務官、検察官の仕事内容、そして給料事情について迫っていきましょう。

受刑者監視する刑務官

まずは刑務官について見ていきましょう。刑務官の職務内容は、主に刑務所に収監された受刑者の管理を行うことです。警察官の場合、昇進するには承認試験を受ける必要がありますが、刑務官は日頃の働きぶりが評価され、昇進昇給します。また、一般職員の場合警察官よりも超過勤務手当が充実しているため、たとえ昇進しなくとも給料面では安定した生活を送ることが可能でしょう。

起訴するか判断をする検察官

続いて見ていくのが、検察官についてです。検察官は、主に犯人が逮捕されたのち、裁判に関連した職務を行います。検察官の具体的な職務内容は、警察と協力し事件の捜査を行い、起訴するか否かの判断を下すことです。こちらは警察官と同様、昇進や昇給するには試験に合格しなくてはなりません。
基本的に週休二日制、かつ勤務時間が固定されているため、警察官と比較して激務である職業ではありません。

両者共に警察官と比べると給料は少し安い

「刑務官」「検察官」ともに、警察官よりも受け取る事のできる給与額はやや下がります。具体的に記すと、刑務官の平均年収は約630万円でした。検察官の平均年収は600万円から650万円の間です。どちらも、警察官の平均年収である約800万円よりも低いことが分かります。
しかし、この二つの職業は勤務時間は警察官よりも短い傾向にあります。それだけでなく、労働環境も警察官と比べ、厳しくありません。また、警察官のように休日出勤はあまりなく、きちんとプライベートの時間をとる事のできる仕事です。
もちろんどれも責任の伴う仕事には変わりないのですが、勤務の厳しさが給料という形に表れています。両者の勤労事情の違いを頭に入れておくと良いでしょう。

警察官の家庭は貯金上手

警察官は新人の場合、警察学校に所属し、基本的な生活費が安く抑えられます。そのため、生活費がほとんどかからず、貯金をすることができます。
また、警察学校を卒業してからも警察官は貯金に向いていると言います。一般の会社員と比較して勤務時間が長いうえに、手当が充実してることが、その理由として挙げられるでしょう。警察官はプライベートの時間をあまりとれず、お金を使う時間がないことが多いです。その結果、意図せず貯金がうまくいくケースが多いのです。このような事情から、30代で1500万円ほどの貯金をしている警察官も多いようです。

警察官の給料は比較的高いが備えが必要

警察官の仕事は激務であるうえ、手当が充実しているため、若くとも多くの給料を受け取ることができます。しかし、これは警察官の仕事に高いリスクがつきものであることを示しているのです。高い年収だから、と油断して貯金を怠っていると、いざという時に金銭的に苦労することも。警察官という仕事をきちんと理解し、常日頃から貯蓄をしておきましょう。

この記事のライター UKANO 編集部

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