UKANO家計のクリニック

日本国内でも使いやすいクレジットカードブランド。特徴を徹底比較

Black leather wallet with credit and discount cards

クレジットカードのブランドそれぞれの特徴とは

クレジットカードというとどのブランドも同じように感じられますが、実際にはそれぞれのブランドごとに異なる特典が設定されていたり、季節ごとにキャンペーンを実施していたりと、ブランドによって個性をうちだしています。

クレジットカードブランドごとの特徴を比較しつつ、カードをまだ持ったことのない方でも安心して使えるブランドについて検証していきます。

クレジットカードのブランドについて

普段はあまり意識することのないクレジットカードですが、具体的にはどのような役割を果たしているのでしょうか。
発行会社との違いについても掘り下げていきます。

クレジットカードブランドとカード発行会社は異なる場合が多い

クレジットカードのブランドと発行会社は一見すると同じように思われるかもしれませんが、まったく違う役割と機能を担っています。

一般的に、カードブランドが提供するのは一連の決済システムであり、発行会社は顧客情報やサービス面を管理しています。
ユーザー目線で考えると、1枚のクレジットカードが国内外でも共通して使えるのはカードブランドのおかげであり、毎月のポイントが累積したり貯まったポイントをお得なサービスに交換したりできるのは発行会社のおかげ、ということになります。

日本国内で新規にカードをつくると、「三井住友カードが発行するVISAカード」という表示形式になりますが、この場合の発行会社は「三井住友カード」、カードブランドは「VISA」ということになります。

カードごとに選べるブランドが決まっている

クレジットカードをつくったからといって、無条件にすべてのブランドを選べるわけではありません。
発行会社によって提携している国際ブランドがきまっており、その範囲のなかでブランドを選ぶことになります。

たとえば、ネットショッピングに便利なAmazonカードであればJCB、VISA、MasterCardのなかからブランドを選択できますが、dカードの場合はMasterCardが選択できず、JCBかVISAのふたつからブランドを決めることになります。

世界トップシェアを占める国際ブランドは7つある

現在、国内外で流通しているクレジットカードの国際ブランドは7つあります。
具体的なブランド名としては、VISA、MasterCard、銀聯American Express、JCB、Diners Club、Discoverとなっており、とくにVISA、MasterCard、JCBは日本国内でも安定したシェアをほこり、全国どこでも使えるトップブランドとして広く認識されています。

世界規模で見るとVISAブランドが最もシェアが高く、2016年の時点で約56%のユーザーを獲得しているなど、名実ともにトップブランドとしてのポジションを確立しています。

国際ブランドごとの違いについて

仕事やプライベートで海外を訪ねる機会の多い方にとって、クレジットカードのブランドは発行会社以上に重要なチェックポイントとなります。
ブランドによって海外での利用範囲や使いやすさが大きく変わってくるため、それぞれの違いを把握したうえでライフスタイルに合うものを選びましょう。

VISAは世界中で使えるトップシェアのブランド

出張や旅行で海外に行く機会が多く、なおかつ現地でも日本と同じようにクレジットカードを使いたい、という方には断然VISAブランドがおすすめです。
世界的にはトップレベルのシェアをキープしているため、日本以外の世界各地でも安心して使うことができます。

日本国内に限定すると、シェアの面ではJCBのほうが上まわっていますが、世界規模で見ると加盟店舗はVISAブランドのほうが多く、売上高の比率で見てもJCBと比較して2倍近くの差をつけています。

MasterCardはどの発行会社でも国内向けブランド特典が手に入る

カード初心者が入門編として持つのにちょうどよいクレジットカードブランドとして挙げられるのがMasterCardです。
世界的なシェアではVISAカードに若干及ばないものの、全世界で3810万店もの加盟店舗数をほこり、海外出張や旅行の際にも広い範囲で安心して使えます。

加盟店舗数の面ではVISAカードのほうが有利ですが、世界共通の会員サービスの充実度で見るとMasterCardに分があり、日本国内でも高級ホテルをお得な料金で利用できたり、ディズニーランドのパレードを特等席で観覧できたりと、日本人にとっても、うれしいサービスがそろえられています。

銀聯は中国初の急成長ブランド

ダイナーズクラブなどとともに比較的最近国際ブランドとして認められた銀聯(ぎんれい)。
もともとは中国国内でのみ利用され、国際的には「UnionPay」として親しまれています。

新興勢力ということで世界的にも、日本国内でもまだまだシェアとしては低い状況ですが、6ケタの暗証番号と本人の署名をくみあわせた厳重な認証システムによって高度なセキュリティシステムを実現しており、最も安全に使えるクレジットカードとして認識されつつあります。
クレジットカードよりもデビッドカードの発行枚数が多いことも大きな特徴です。

American Expressの魅力は国際的信頼度の高さ

日本国内では「アメックス」として広く認知されているAmericanExpress。
世界的なシェアはそれほど高くありませんが、審査が非常にきびしく、かぎられたステータスの人しか持つことができないハイクラスなクレジットブランドとして憧れの的になっています。

アメックスそのものがひとつのステータスであり、カードを1枚持っていれば身分証明書のかわりとして利用することができ、とくにステータスを重んじる海外ではカードを提示するだけでワンランク上のサービスを受けることができます。

JCBは日本国内と特定の国での優待サービスが魅力

7つの国際ブランドのうち、日本の企業が母体となっているのはJCBだけです。
世界的なシェアで見れば第1位のVISA、2位のMasterCardに大きく差をつけられていますが、日本国内にかぎってみればトップクラスのシェアを誇り、国内加盟店は900万店とVISA、MasterCardの加盟店舗数を合わせても大きく上まわっています。

JCBブランドの魅力は国内ユーザー向けの充実した特典で、「たびらば」と提携しているため海外の特定地域では割引サービスを受けられたり、現地スタッフからお得な情報がもらえたりとさまざまな特典が用意されており、海外旅行に行くほどお得になる仕組みがととのえられています。

Diners Clubは簡単には手に入らないトップステータスブランド

もともとはアメリカ国内のハイステータスブランドとしてスタートしたDinersClub。
国際ブランドに格上げされて以降も安定したステータスをキープし、アメックスとならんでハイソサエティな方々がもつブランドとして知られています。

「めったに手に入らない」ということそのものがトップブランドとしての証であり、アメリカ国内では「Dinersをもてるようになったら将来も安泰」とまで言われています。

Discoverは国内では発行されていないものの加盟店が増加しているブランド

日本国内ではあまり耳なじみのないDiscover。
国際ブランドとしての歴史も浅く、世界中どこでも使える、というわけにもいきません。

ただ、加盟店を少しずつ確保するという手法によって着実に世界的なシェアを広げており、日本国内では発行されていないものの、海外でつくったカードを日本の加盟店で使うことは可能であり、今後加盟店が増えてくれば利便性も増してくると考えられます。

ブランドやカードの種類はライフスタイルに合わせて選択する

クレジットカードの発行会社やブランドには種類ごとに違いがあり、一概に「このブランドがおすすめ!」ということはなかなか言えません。

海外に行く機会が多ければ国際的に加盟店が多いブランドを、基本的には日本国内で使いたいという方は国内向けの特典が充実しているブランド、というように職業や年齢、ライフスタイルに合わせてメリットの大きいものを選ぶことが大切です。

カードをもつのが初めてで、自分ではどうしてもブランドが選べない、という場合は専用のウェブサイトにアクセスし、職種や年齢、重視したいサービスなどを入力すればおすすめのブランドが紹介されるので、ぜひ一度利用してみましょう。

国内ブランドについて

日本国内で発行されている国内ブランド。
セディナ、ジャックス、エポス、クレディセゾン、三菱UFJニコス、三井住友あたりが代表的なところであり、石油会社や信販系の企業など、企業ごとの特性を活かした特典、サービスが充実しているのが特徴です。

国内ブランドの勢いは低迷気味

国際ブランドと比べると、国内ブランドの勢いは若干低迷気味であると言わざるを得ません。
確かに、海外に行く機会の多い方々にとっては国際ブランドのほうに強い魅力を感じるかもしれませんが、日本人向けのサービスや特典では国内ブランドのほうが有利と言える面もあるため、それぞれの特徴を比較したうえで自分に合ったものを選びましょう。

ブランドごとの特徴を捉えて自分に合ったブランド選択に役立てたい

クレジットカードのブランドを適当に選んでしまうのは非常にもったいないことです。
ブランドごとにサービスやシェアの面で違いがあるため、ブランドの特徴をよく理解し、あとから損をしないように心がけましょう。