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国民健康保険を滞納した場合はどうなるのか。滞納のリスクと対応方法

国民健康保険を滞納したため督促状が届く

国民健康保険に限らず、払わなくてはいけないものを払わないと滞納という扱いになり、早急に払うように督促状が家に届きます。
本来なら滞納をしないことが好ましいですが、もしこの督促状が来たらどうしたら良いのでしょうか。

滞納後の対応について知り、こういった場面になったときに対応できるようにしましょう。

国民健康保険について

国民健康保険の滞納後の対応を知っていく前に、国民健康保険の制度について詳しくおさらいしてみましょう。

市町村が運営するための保険制度

国民健康保険とは、生活を守っていくための保険制度の1つで、市区町村が保険料を集めて運営していくのが国民健康保険です。
例えば、病気やケガをしたときなどに自己負担する医療費が軽減されたり、妊婦の方が出産するときに一時金が支給されたりします。

国民健康保険の加入状況

厚生労働省で公表された、全国の市町村が運営する国民健康保険の加入状況について紹介します。

平成28年度の国民健康保険の加入状況は、速報値で1874万世帯で3013万人という状況でした。
この3013万人という数は、前年度から170万人減っています。
また、国民健康保険料の収納率は、91.92%で、前年度から0.47ポイント増えています。

国民健康保険料と国民健康保険税

国民健康保険に関する費用は、市町村の保険者が保険料を徴収することでまかなわれています。
自治体によって「国民健康保険料」や「国民健康保険税」と言い方に違いがあります。
市区町村はどちらの方式で行うか決めることができ、大半が保険税方式を起用しています。

納める側からすれば、特に違いを意識する必要はありません。
保険料は2年で時効となり、保険税は5年で時効となるなど、法令の違いがあります。

保険料の滞納世帯はどれくらいなのか

国民健康保険料を払っている世帯についてわかりました。
そんな中、滞納している世帯はどれくらいなのでしょうか。

同じく厚生労働省が公表した国民健康保険に関する記述によると、平成29年度の速報値では、滞納世帯数はおよそ289万世帯あり、平成28年度ではおよそ311万世帯と公表されています。
また、滞納世帯数は割合で見ると平成29年度は15.3%であり、平成28年度は15.9%です。

保険料を滞納すると延滞金が発生する

国民健康保険料を滞納すれば、延滞金が発生します。
保険料を滞納している分にプラスされて延滞金を払うことになるので、さらに負担は増えてしまいます。
延滞金の計算方法は、納期限や納付日、滞納している額によって算出できます。
納付する期限から1カ月以内なのか、はたまた1カ月以上経過しているのかでも、延滞金額の率は変わります。

ちなみに、税額が2,000円未満の場合は延滞金は発生しません。
しかし、督促状が発行された場合は、どんな金額関係なく督促手数料というものは発生します。
延滞金の計算をして、100円未満の端数が出た場合は切り捨てられます。

保険料の滞納には時効があるが成立は難しい

国民健康保険料を払わないと、滞納という扱いになります。
また時効も存在しますが、実際時効を成立させることは難しいです。
その理由は、滞納すれば自治体から定期的に督促状が届くからです。
督促状が届いた時点で時効が停止しますので、実質時効がないものといっても過言ではないでしょう。

国の医療制度を維持していくために、時効はそう簡単に成立できないのです。

生活環境の変化で滞納はどうなるのか

保険料の支払いが遅れると滞納となってしまいます。
しかし、例えば引っ越しなどによる忙しさから保険料を滞納してしまった場合はどうなってしまうのでしょうか。
対応の方法を紹介していきます。

引っ越すことになった場合

国民健康保険に加入している方が、引っ越しで他の市町村へ移る場合。
今現在加入している国民健康保険を脱退して、次の新居地で加入することになります。

脱退の手続きは、転出届を出すときに行うことができます。
また、新居地での加入も転入届を出すときに手続きできます。
詳しくは各自治体に問い合わせましょう。
同じ市町村内の場合は、住所変更をします。
世帯全員の保険証を持参して、手続きを行いましょう。

もし保険料の未払い分がある場合、新居地での保険料の未払い分が無ければ保険証は発行されます。
未払分の支払方法は、基本的に一括払いとなっていますが、難しければ相談次第で分割も可能でしょう。
払わないまま引っ越しをすれば、通知が新居地に届きます。

就職して社会保険に加入することになった場合

これまで国民健康保険に加入していた方が就職して、会社の社会保険に加入するという場合。
国民健康保険料を滞納していた分は帳消しにはならないので、気を付けましょう。
滞納した分は社会保険に加入した後も請求されますので、必ず支払いましょう。

滞納が続くことによる被保険者証の扱い

国民健康保険料の滞納分は、引っ越ししても、新しい健康保険に切り替えても、必ず支払わなければなりません。
続いては、滞納が続いてしまったときに被保険者証はどうなってしまうのかについて紹介します。

短期被保険者証が交付される

通常の被保険者証は、自治体にもよりますが有効期限は1年となっています。
しかし保険料の滞納を続けていくと、被保険者証の有効期限がさらに短い、短期被保険者証になってしまいます。

短期被保険者証であっても通常の被保険者証であっても、病院に通うことは可能です。
しかし、更新の時期が通常のものよりも短いので注意しましょう。
短期被保険者証は、有効期限が6カ月ものが多いです。

被保険者証から被保険者資格証明書へ

福島県須賀川市の場合、特別な理由もないのに国民健康保険料を滞納した上に、さらに1年も滞納し続けた場合は、被保険者証を返還しなくてはいけません。
そして被保険者の代わりとなるのが、被保険者資格証明書です。
ただし、世帯に18歳以下の人がいる場合、その18歳以下の人には6カ月の被保険者証が交付されることになっています。

医療費は全額自己負担に

被保険者証を返還し、代わりに被保険者資格証明書を交付され、その資格証明書で医療機関に受診した場合の医療費は、その場では全額負担です。
しかし、後日特別療養費の申請を行えば、給付割合の相当分が返ってきます。

ただし、医療機関で受診する際に資格証明書を忘れると自由診療扱いとなり、払い戻しができないので注意しましょう。

医療費の払い戻しを受けるには

先ほども申したように、医療機関では10割負担をしても、後日申請を行うことで返ってきます。
全額ではなく、保険給付分の一部です。
払い戻しをしてもらうには、各自治体の国民健康保険を扱う窓口で行いましょう。
医療費の7割分が戻ってきます。
また、滞納分と相殺されることもあります。

特別療養費の申請をする場合は、被保険者資格証明書と、医療機関にかかったときの領収書、印鑑、振込先がきちんとわかる通帳が必要です。
窓口にて申請するときは、必ず忘れないようにしましょう。

財産の差し押さえ

国民健康保険料を滞納し続けると、最終的にはすべての財産を差し押さえされてしまいます。
滞納することは、きちんと納付している方と不公正となってしまうからです。
また、滞納する人が増えるとその自治体の財政を圧迫することにもなってしまいます。

基本的には督促状などを送付することで納付を促しますが、再三の督促を無視することで差し押さえという手段を取られます。
勤務先、そして金融機関などでの財産調査が行われ、預貯金、生命保険、給与や年金、不動産や動産などが差し押さえの対象です。

滞納について役所と相談する

国民健康保険料は必ず支払わなければなりません。
しかしさまざまな理由で万が一滞納してしまったら、まずは相談をすることが大切です。
相談する上で、必要なことを紹介していきます。

相談にあたって用意するもの

国民健康保険料を納付ができない場合は必ず相談しましょう、各自治体の保険に関する窓口で相談できます。
相談のときには、印鑑が必要です。
また、収入や支出が詳しく書かれた書類、現在の資産がわかる書類、負債の状況も詳しくわかる書類、これらすべてを持参しましょう。
相談する上で、窓口の人にわかりやすく説明できます。

休日相談や夜間相談もある

基本、相談窓口は平日ですが、休日相談や夜間相談を実施している自治体もあります。
平日は忙しいという方には、休日や夜間相談を利用しましょう。

各自治体のホームページなどを確認したり、電話したりして問い合わせてみましょう。

保険料の負担を減らす制度

国民健康保険には、保険料の負担を減らす制度があります。
該当する方は、制度をうまく利用しましょう。

保険料の軽減制度

世帯主と被保険者全員の合計所得が基準額以下だと、軽減制度に該当する場合があります。
被保険者数や合わせた所得によって、軽減の割合が異なりますので各自治体に確認してみましょう。

保険料の減免制度

減免制度とは、被災や盗難、失業などで所得が減った際に受けられる制度です。
申請には国民健康被保険者証、印鑑、制度を受ける理由に必要な書類を持参しましょう。
必要なものは事前に問い合わせておくとスムーズに手続きできます。

納期限の猶予や分割納付

どうしても納付が困難な場合、役所に相談し、話し合い次第では、納付期限の猶予や分割で支払いできることがあります。
そのためにも、まずはきちんと話し合いをすることが大切です。
未納分がある方は、早急に各自治体に相談してください。

まずは役所と相談して支払い計画を立てること

国民で条件に該当する人は必ず支払いをしていかねばならない国民健康保険。
日本の医療制度をきちんとしたものとして確立していくためには、一人一人が期限を守って保険料を納付していかなければなりません。

しかし、ついつい後回しにしてしまったり、支払いをすっかり忘れてしまっていたということがあるかもしれません。
滞納は決して良いことではありません。
早急に支払いましょう。
どうしても支払いが難しい場合、まずは役所に相談することが大切です。
支払い計画をしっかり立てましょう。