UKANO家計のクリニック

子育てにはどのくらいのお金がかかるのだろう

子供1人にかかる育児費用額と内訳

大切な子供が自分で生活することができるまで育てることは、ただ、うれしいというだけでなく、親の責任も伴うものです。
子供の希望を叶えて上げたいと考えてもそのためにはお金も必要。
お金は急に準備することができるものではありません。

妊娠してから出産するまでに20万円程度、その後保育園に通うようになると公立でも1年間で20万円以上が必要です。
さらに小学校から大学まで公立に通ったとしても小学校で年間約33万、中学校では年間約48万円、高校で約40万円、大学では、年間に100万円以上が必要です。
あくまでも平均的な費用ですから、実際に、さらに費用が掛かることが考えられます。

子育てにどのくらいの費用が必要となるのか知っておきましょう。

妊娠から出産までにかかる費用

妊婦中の検診費用

初めての妊娠となると出産までにいくらぐらいの費用が必要になるのだろうか喜びとともに心配もあります。
以前に比べると国や自治体からの助成なども増えてきて費用としてはかからなくなってきています。
とはいってもどのくらい必要となるのか知っていれば備えることもでき安心でしょう。

まず、必要となってくるのが妊娠中の検査費用です。
出産までの費用はどの医療機関を利用するのかによってもかなり違いが出る場合がありますが、1回の検診で必要となるのは、だいたい5000円から8000円程度です。
検診は13回から15回程度が出産までに必要です。

自治体により補助が出ている場合もあり、13回から15回程度の補助券や無料券が準備されている場合もあるので問い合わせてみるとよいでしょう。

入院や分娩費用は平均いくらなのか

妊娠から出産までの間で最もお金が掛かるのが出産です。
産院によって異なるのですが、平均的な費用としては、自然分娩は45万から50万、帝王切開は50万から75万となります。
帝王切開の場合には入院期間も長くなることもありどうしても高めとなります。
ただし、帝王切開は健康保険が適用となるため自己負担ということでは、自然分娩とあまり変わらなくなります。

自然分娩の場合には、本人が健康保険に加入しているか、夫の扶養になっていれば出産手当一時金として、42万円が支給されますから、差額分を支払うことになります。

産院によっては個室が準備され食事なども一流ホテル並みといった場合もあり、こういった場合には費用もかさんできます。

双子の場合は総額はおよそ1.5倍

出産で気になるのが、双子の場合などは費用がどのようになるのかということでしょう。
双子だから費用も2倍となるとなかなか大変です。
実際には双子だから費用は2倍ということはありません。
分娩費は通常の分娩よりも少し高くなる程度です。
ただし、双子を妊娠した場合には、出産予定の2カ月前から管理入院が必要となるためその間の入院費が加算されることになります。

また、双子の出産の場合には、帝王切開分娩となることが多いため出産費としては自然分娩より高くなります。
さらに産まれた赤ちゃんの入院費がかかるので、これは単純に計算すると2倍です。

医療的処置などが必要となる場合もあり通常の出産の2倍ぐらいかかることもありますが、だいたい90万円程度が予想される費用でしょう。

ただし、健康保険に加入していれば一時金が双子の場合には84万円支給となりますし、手術費など医療的処置にかかわったものは、健康保険の対象となります。

子ども1人にかかる教育費の平均

幼稚園にかかる学費

幼稚園は3歳から小学校に上がるまでの期間に入園することができる教育機関です。
幼稚園にかかる費用は公立か私立かによってかなり違います。
また、公立であっても自治体によって費用は変わります。

幼稚園で必要な費用は、制服、学習費、給食費、園外活動費というのが大きなものとなります。
制服に関しては幼稚園によって違ってきますから必要ない場合も考えられます。
それ以外で考えてみると、公立で1年間に22万円、私立で約50万円。
ただし、3歳児と5歳児では費用が違うことが多く、年齢が大きくなるほど費用も掛かります。

小学校にかかる学費

小学校も、公立か私立かで大きな違いがあります。
公立の場合には、教科書や授業料は必要ありませんが、私立ではこういったものも必要です。

公立の場合で年間で約32万円、私立では、年間約153万円です。
授業料や教材代、給食費に塾などの費用も含めて平均でこの位の費用がかかります。
実際にはそれよりもかなり多くの費用が必要となる場合もあります。

私立・公立ともに入学する前には、ランドセルなど準備するものも多く準備費用がかかります。
5年6年では塾や習い事に通うことも多くなるため、学校外活動費が増えてきます。

中学校にかかる学費

中学校は小学校に比べると期間も期間も短くなりますが、それでも学費としてかかる費用は大きくなります。
私立は公立の3倍近くの費用が必要となります。
これは、公立では授業料が無償であるのに対して、私立は授業料を支払う必要があるためです。
中学までは助成などもないため、すべて自己負担となります。

実際にどの程度が必要となるのか。
公立は、年間で約48万円、私立で約133万8,000円です。
給食費などにはそれほど大きな違いはありませんが、私立の場合には入学金が必要であったり通学費が大きくなることも要因です。

学費の中には授業料や教材代、給食費や郊外活動費、交通費も含まれます。
私立の場合には、授業料だけでなく交通費の負担も大きくなることが考えられます。

塾などの学校外活動費に関しては公立も私立も年間31万円程度です。
私立の場合には中高一貫校を選択することで塾などの費用を抑えることができるのに対し、公立では受験に備えて塾などに力を入れる傾向があります。

高校にかかる学費

高校にかかる学費も公立と私立でかなりの違いが出てきます。
公立では授業料の無償化制度に所得制限が2014年より付いたため、所得によって同じ高校であっても違います。
また、所得制限があるといってもこの制度があるために私立とはかなりの学費の差が出ています。

公立では、年間約40万円が必要となります。
特に入学した年には準備などが必要となるため高校3年間でも最もお金が必要です。

私立の場合には、授業料だけでなく入学金なども必要となりますからさらに負担は大きなものとなってきます。
1年間の学費としては、約99万円が平均となりますが、入学時には平均でも100万円を超えてきます。

また、高校では給食がなくなるので、個人で準備する必要があります。
さらに塾などの費用も大きなものとなってきます。

大学にかかる学費

大学は子供にかかる学費の中でも最も大きなものとなります。
公立であるのか私立であるのかはもちろんですが、それだけでなく文系か理系でもかなり違いがあります。
さらに自宅から通うのか一人暮らしをするのかでも変わります。
入学在学費用は高校までとは全く違ってきます。

特に初年度はどこの大学でも多くの費用が必要です。
初年度の平均費用は、

●公立 自宅約176万円  自宅外約346万円

●私立文系 自宅約249万円 自宅外約142万円

●私立理系 自宅約284万円 自宅外約454万円

2年目以降はかなり費用を抑えられますが、それでも大きな費用が必要となり、公立で自宅から通うという最もお金のかからない場合でも4年間で約460万円が必要です。
逆にもっともお金がかかる私立の理系自宅外となると4年間で約1300万円が必要です。

大学となると自宅外から通うことも多くなり、家賃や仕送りに多くの費用が必要となりますから、かなりの準備をしておく必要があります。

塾や習い事にかかる費用

忘れてはいけないのが、学校の費用だけでなく塾などの習い事にかかる費用です。
小学生の平均額は2万円弱となっていますが、どんな習い事をするかによって差が出ます。

また塾では、学年を追うごとに費用もかさんできます。
受験を控えた学年となるとかなりの費用が掛かることも考えられます。

塾だけでなく通信教育などもあり、小学5~6年ともなると年間で30万円程度が平均ともいわれています。
どのような習い事をさせるのか、よく検討して決めることが大切です。

子ども1人に係る養育費

子供にはどのくらいの費用が必要となるのでしょうか。
大学まで進学し卒業することを考えると出産から22年間の養育費用は平均1640万円です。
これには学費の他にも給食費や、通うための交通費、習い事や塾などの費用が含まれています。
しかし、実際の子育てでは、被服費や食費など様々な場面でお金が必要ですから、これ以上にお金が必要になると考えておきましょう。

育児費用の手当を紹介

出産費用には「出産一時金」

出産の際にはまとまったお金が必要となりますが、助成金などを上手に利用することで負担を抑えることができます。
出産は子育ての始まりですから、その後子供を育てるために多くのお金が必要となることを考えると少しでも負担を抑えることは大事なことです。

出産の際にもらえる手当は出産一時金です。
出産一時金は、健康保険に加入していれば申請して受給できます。
出産では自然分娩であっても45万円から50万円の費用が必要です。
出産一時金は42万円が支給されますから、自己負担としては差額の数万円にすることができます。

産院によって違いますが、出産一時金との差額を支払う場合や、先に前金を支払う場合などあります。
きちんとそれぞれの産院に確認しておくようにしましょう。

女性が会社員なら「出産手当金」

出産の際に申請できる助成金は出産一時金の他にも出産手当金があります。
出産手当金も健康保険からの助成金となりますが、こちらは出産にかかる費用に対する助成ではなく、出産育児のために仕事を休業する際の休業補償です。
つまり、産休中のお給料替わりとなります。

そのため申請できるのは、公務員や、健康保険加入の被保険者のみです。
扶養などになっている場合には申請を行うことができません。

国からの手当「児童手当」

子供を育てている間、児童手当も受け取ることができます。
児童手当は0歳から中学卒業までの間に支給されます。

0歳から3歳未満では月額1万5000円、3歳から小学校終了までは第1子・第2子が月額1万円。
第3子は1万5000円、中学生が月額1万円です。

ただし、世帯年収が960万円以上ある場合には、児童手当の支給はなく、特例として子供1人あたりに月額5000円が支給となります。

育児費用を具体的に知って費用を準備しよう

子供を育てることはとても大変なことです。
日々の生活だけでも大変ですが、育てるためには、お金も必要となります。
学校や習い事などその費用は大きなものとなります。

子供が大学まで進学することを考えると、その時々ですぐに準備するのが難しいほどの費用が必要となってきます。
早くから少しずつ準備しておくことが大切です。
実際にどのくらいのお金が必要になるのか、だいたいの額を知っておけば、それに合わせてある程度備えておくこともできます。
まずはどのくらいのお金が必要なのかを調べましょう。

また、準備には貯蓄するだけでなく、助成金なども上手に活用することが大切です。
どのような助成があるのかを理解しておくことも大切です。