過払い金には請求期限があるのか。その請求が間に合うのか確認しよう

July, 11, 2018

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過払金とは何か

2007年頃までは「出資法」と「利息制限法」の2つの法律間で法定上限金利が違い、貸金業者などが利息制限法で違反をしても罰則規定がありませんでした。
そのため、多くの貸金業者や信販会社は、利息制限法で定められているよりも高金利で貸し付けていました。

当時借金をしていた人や今も返済を続けている人は、本来払うべき利息よりも多く払いすぎていた可能性があるというのはテレビCMでもよく言われていること。
その払いすぎていた利息を貸金業者に返還請求する為の手続きを「過払い金請求」といいます。
今回は、その過払い金の「請求期限」について見ていきます。

過払い金の請求期限とは

過払い金請求にも、時効が存在します。
とっくに払い終わってしまったから関係ないと思う人もいるかもしれませんが、場合によっては間に合う可能性もありますから、あらためてチェックしてみましょう。

10年で時効消滅

過払い金の返還請求権の時効期間は借金を完済した翌日から始まります。
利息制限法で定められているよりも高い金利で借金をした人が、利息が下がった現在でもまだそれを払い続けているような場合には、時効が始まってさえいないため、過払い金返還請求権はあります。

借金の返済を既に終わらせている場合、完済日から10年以上経ってしまうと時効となり、過払い金の返還請求権がなくなってしまいますので気をつけたいところです。

注意しておきたい分断時効

「一旦完済できたものの、また借金をしてしまった」というようなケースでは、1度目の借金と2度目の借金の間に空白ができます。
その空白期間の長さや、新しく契約を結び直して借金を再開したかどうかによって、2つの借金を繋げて計算するか、個別に計算するかが判断されます。

「分断」というのは借金を個別に計算することを指します。
そのため、発生する過払い金額は少なくなります。
また、それぞれの取引終了日の翌日から時効期間が始まることになるので、1度目の借金完済日から10年以上経ってしまうと、その分は時効を迎えてしまいます。

一連の取引とは

2つの取引の分断期間が短いと、これらをひとつの取引であるとみなす場合があります。
それを「一連」の取引といい、1度目の借金と2度目の借金を続けて計算します。

一連の取引として計算するときは、1度目の借金の完済から10年以上たっていても2度目の取引と合わせたものとして見なされますので、すべての過払い金の返還請求をすることができます。

請求期限を過ぎていても請求する方法

基本的に、支払い完了後10年で過払い金返還請求権の時効が来ます。
それでも、過払い金返還請求権が発生していることがわかっている場合に、時効を引き延ばす方法があるので見ていきましょう。

過払い金の時効期間を延長する場合

「調べてみたら、昔返した借金の年金利が20%以上あって、過払い金が請求できそうなんだけど、時効ぎりぎりで今から手続きしても間に合わないかもしれない」
このようなときは、内容証明郵便などを使って直接貸金業者へ請求書を送ることにより、時効を中断することができます。
名前と生年月日、契約番号などを書き、「過払い金が発生しているので返還してください」と、こちら側の過払い金返還請求の意思を示します。

これは、裁判外の請求と呼ばれる方法で、こうすることによって時効は半年だけ止められますが、一度しか使えないやり方なので、請求が長引きそうな場合はやはり裁判上での請求が必要となってきます。

取り立ての際不法行為を受けていた場合

借金の取り立ての際に酷いやり方をされた、たとえば暴行や脅迫を受けた、損害を与えられたなどという、貸金業者側の請求方法に不法行為があった場合には、加害者である貸金業者に対して損害賠償請求権を行使できる可能性があります。
この、不法行為を理由にした損害賠償請求権の時効は「損害を知った時」から3年です。

今までの取引の状況を貸金業者から書面で示してもらうことを「取引履歴の開示」といいます。
その開示された時を先に書いた「損害を知った時」とすると、完済して10年以上経ってしまっていても、開示から3年以内なら損害賠償金として請求できる可能性があるということです。
ただし、不法行為かどうかを判断するのは裁判所です。

今の借金と相殺する場合

これは、同じ貸金業者から何度か借り入れをしているような場合で、それぞれの取引が分断したものであると認められるときなどにできる方法です。
民法508条に、先に消滅時効になった分の債権(ここで言う過払い金返還請求権)が消える前に相殺できる状態だった場合は、債権者は相殺することができると書いてあります。

ですから、裁判の際にはあらかじめ相殺を宣言することで、もしはじめに発生した分の過払い金が時効になったとしても、後からした借金の元本を減らしたり、あるいはなくすことができます。
また、相殺させた金額によっては、後からした借金のほうでも過払いになる可能性が出てきます。

過払い金は時効以外でも取り戻せないことがある

今までは取り戻せる見込みのある話が中心でしたが、過払い金が戻らないケースなどについても知っておきましょう。

借り入れをした業者が倒産した場合

まず挙げられるのは、貸金業者の倒産です。
貸金業者が破産したり、民事再生・会社更生手続きに入ると、いくら過払い金が発生していたとしても業者の支払能力が減るわけですから、少ししか返還されなかったり、あるいは、まったく返ってこないこともあります。

過去に貸金業者と和解を結んでいる場合

例えば、毎月の支払が滞ってしまったという時に貸金業者と交渉をして、今までよりも月々の支払額を下げて支払う、また、利率も下げるといった和解を過去にしたことがあると、過払い金の請求が難しくなる場合があります。

それが裁判上でなされた和解であれば、特に困難になるようです。
判決が確定すると、その当事者は判決内容に反する主張ができなくなり、裁判所もこれに反する判決をすることができなくなるためです。

過払い金が発生していない場合

過払い金を取り戻せないケースとして、もうひとつは「過払い金が発生していない」ことです。
利息制限法で定められている範囲の金利を守っている貸金業者から借り入れた場合は、そもそも過払い金が発生しないため、請求することができません。

銀行系のカードローンで借りたときにも、過払い金の発生はありません。
住宅ローン、車のローンなども同様です。
クレジットカードを使っていても、ショッピング枠では過払い金の発生には繋がりません。
なぜなら割賦販売契約の「立替金」は、借金や貸付金という契約ではないからです。

過払い金請求するのであれば早めの対応を

支払が済んでいる借金の場合、請求に際してのデメリットはほとんどありませんから、ぜひ時効がくる前に行動してみることをおすすめします。
そんなに戻ってこないかもしれないと思っても、意外と多く過払い金が返ってくる可能性もあります。

時効が切れてしまうと、元も子もありません。
疑問があれば早めに対応しましょう。

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