UKANO家計のクリニック

契約社員の退職金はあるのか。もらえる方法を考える前向きな解決法

契約社員は退職金をもらえるのか

契約社員は退職金をもらえるのかといった問題ですが、現実に働いているものとしては、非常に気になることですよね。
実際に契約社員になる際の契約などを入社前に入念に確認することはできず、なかなか実態がつかみにくい部分があります。
それでも、わかることは知っておきたい。
まずは、世の中の仕組みを知って、前向きに考えていきましょう。

退職金の仕組みについて

退職金ですが、日本では退職金は当然出るものといった価値観が長く続いていましたが、現在ではそれも薄れてきています。
状況によっては正社員でも出ないこともあり、外資系の会社などでは、制度として存在していない場合もあります。

退職金には積立が必要であり、会社にとっては基本的に義務ではない、長年の働きに対する報奨であるといった意識があるのです。
一方で、退職金の不払いをめぐる裁判では、「退職金は給与の後払い的性格があり、当然に支払われるべき」といった判決が出ているのも事実です。

とはいえ、公務員であっても退職金の補償は薄くなりつつある中、契約社員が退職金をもらえる可能性は減ってきているのが現状かもしれません。

契約社員の退職金の現状

結論からいってしまうと、契約社員の方が退職金をもらえる可能性は非常に低いといえます。
もらえない場合が多いのは、平成27年度退職支給制度なし84.1%という、東京産業労働局のデータからわかるでしょう。

ただし、正社員であっても勤続年数が短ければ支給無しの場合も多いことから、もとより契約期間が短く設定されている契約社員に退職金が出ないのは、ある程度仕方のないことかもしれません。
もらえない前提で、支給される可能性を探る方が、前向きな考え方といえるでしょう。

退職金をもらえる場合

契約社員であっても、退職金をもらえるケースはあります。
ですから完全に諦める必要はありません。
退職金がもらえるとなれば、お金の面だけでなく、気持の面でもやりがいが感じられますよね。
どんなケースで退職金をもらえるのか、見ていきましょう。

雇用契約や就業規則に規定がある

もっとも確実に退職金をもらえるケースが、雇用契約や就業規則に規定がある場合です。
この決まりに当てはまれば、ほぼ確実に退職金をもらうことができます。
まずは、雇用契約や就業規則に規定があるか確認することから始めましょう。

雇用契約や就業規則に規定があったとしても、退職金が結果としてもらえなくなくるケースもあるので注意が必要です。
それは、実際の退職時までに雇用契約や就業規則が変わることがあるということです。
雇用契約や就業規則は法律や社会情勢、会社の状況によって変わることが多く、今時点では退職金がもらえそうでも、実際にはもらえなくなることもあります。

これは、契約社員だけでなく正社員にも同様のことがいえるので、あまり退職金を期待しすぎないという面で、非常に重要であるといえるでしょう。

正社員の就業規則を適用している

契約社員であっても、正社員の就業規則を適用している、または一部準用している場合はあります。
この場合は、退職金も正社員と同様にもらえるケースもあるのです。
または、金額は減るけれどもらえる場合もあります。

これは、比較的まれなケースではありますが、無期雇用の契約社員や、何度も更新をしている契約社員であれば、これが当てはまることもありますので、調べてみましょう。
自分の立ち位置を知るという意味でも、知っておいて損のない情報です。

過去に慣例があった場合

勤続年数が長い、貢献度が高い契約社員に対し、過去に退職金を出したといった慣例がある場合も、もらえる可能性が高くなります。
この場合は、すべての契約社員がもらえるわけではなく、一定の基準をクリアすればといったことにはなるのでしょう。

ただし、そこまでの期間契約社員でいるべきか、そういった自分のキャリアプランもよく考えましょう。
契約社員を続けていくよりも、正社員になれるよう働きかけるなど、別のアプローチ方法も考えられます。
法制度も変わってきましたので、長く契約社員を続けるのであれば、正社員雇用への道も視野に入れておきましょう。

退職金の計算方法と税金

退職金がもらえる場合は、その金額も気になるところです。
計算方法は就業規則などですでに決められている場合は、非常に出しやすいですが、計算が少し複雑な場合や、はっきりとは示されていない場合もあります。
まずは調べてみましょう。

退職金支給額の算出方法

退職金の支給額は、会社によって異なります。
「勤務年数×役職×月々の給与×会社への貢献度」が簡単な指標です。
ですが、規則にかっちりと決められていて、そこにのっとって確実に計算できる場合もあります。
もし、算出方法がわかるようであれば、自分で計算してみましょう。

または、就業規則で単純に5年でいくら、などと決まっている場合もあります。
契約社員の場合は、こういった算出方法になっていることも多いでしょう。
そして、退職金は比較的低額である傾向があります。
あまり多くもらえるという期待はしないようにしておきましょう。

課税対象だが退職金控除を受けられる

退職金をもらえた場合、源泉徴収をされるかといったことも気になりますね。
これは結論からいえば、ほぼないといってよいでしょう。
退職金は課税対象になりますが、税制上の優遇措置が強く、勤務年数に対して高額な退職金でなければ、課税されないことになっています。
実際に課税されるのは勤務年数の長い定年退職者や、かなりの役職のもののみで、契約社員であれば、ほぼ源泉徴収はないと考えてよいでしょう。

実際に課税されているかは、退職所得に関する源泉徴収票を見ることでわかります。
これは退職金が支給されれば必ず発行されることになりますので、事後に確認することができます。

契約社員の退職金に関するポイント

契約社員の退職金に関するポイントをみていきましょう。
これらを押さえておくことで、雇用形態を再確認し、あとで困ったことにならないようにしておくことができます。
将来のためにも、しっかりとみていきましょう。

雇用契約を結ぶ前に厳しくチェックする

契約社員にとって、契約条件は非常に重要です。
雇用契約を結ぶ前に、厳しくチェックする必要はあるでしょう。
雇用契約をなんとなく結んでしまったあとでは、時すでに遅いといったこともあります。

とはいえ、契約社員はやや弱い立場でもあります。
雇用契約書に退職金の項目がなかったからといって、足してほしいといった交渉をすることはほぼ不可能であると考えておいてよいでしょう。
退職金の項目がない場合は、他の項目で充てんできるか、雇用条件として十分であるか、よそとの比較など、別の方向で考えていくほうが建設的です。

会社に交渉するのは自由

退職金がないことや正社員との比較で不満がある場合は、会社と交渉をすることは自由です。
退職支給条項の変更、退職金の請求など、できることはたくさんあります。
実際に訴訟に発展した例もあり、勝ち取ることも不可能ではないです。

ただし、交渉をするということは勇気のいることです。
先に法律や会社の規則をよく確認して、交渉の余地がどの程度あるか把握してから行うようにするとよいでしょう。
損をしないことも重要ですが、穏やかに仕事できる環境を失わないことも、非常に重要なのです。

正社員に登用された場合

契約社員が企業と交渉した結果、または企業からの要請で正社員に登用されることもあります。
この場合は正社員として待遇されることになりますので、退職金は正社員並みにもらえることになるでしょう。

契約社員として退職金を取得するよりも、正社員になることを目指す方が、およそ現実的な方法であるといえるかもしれません。
なにより、給与のアップや昇格もみこめますので、自分のキャリアアップにつながるといったメリットが大きいのです。

退職金に関してトラブルが起きた場合

退職金に関してトラブルが起きた場合は、労働審判、訴訟などに発展することがあります。
もらえるはずだった退職金がもらえなかった、または懲戒免職で退職金がなくなったなどの場合、訴訟に発展しやすいといえるでしょう。

退職金が高額であればあるほど、裁判をしてでも手に入れる価値があるため、かなり長期間もめることもあるのです。
こういったトラブルはなるべくなら避けたいところです。
起きる前に可能な限り防衛策を施しておくとよいでしょう。

退職金の有無は雇用契約書で確認しよう

契約社員にとって、退職金の有無はほとんどが雇用契約で決まります。
まずは契約書を確認して、自分の雇用形態、立場を確認しましょう。
そのうえで、会社の就業規則や過去の事例を調べるようにしていくと、効率よく、前向きに退職金について知ることができます。

退職金がもらえないことを嘆くのではなく、もらえるにはどうしたらいいか。
もらえないなら、お金をためておくなど、前向きに向き合いましょう。