2017年ブラック企業ランキング。ランクインした企業とその理由

April, 01, 2018

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どんな会社がブラック企業なのか

企業にとっては不名誉な「ブラック企業のランキング」。ランキングに入ってしまったからにはそれなりの理由があるはずです。パワハラやセクハラ、残業代未払い、長時間労働など、「ブラック企業」と定義づけられてしまった企業には、どんな特徴があるのでしょうか。

ブラック企業大賞に選ばれた企業

毎年行われる「ブラック企業大賞」。今年はどんな企業が選ばれたのか、とても気になりますよね。また、再びノミネートされている企業はあるのでしょうか。さっそくブラック企業大賞に選ばれた企業を見てみましょう。

大賞は引越し社グループ

2017年のブラック企業ランキング大賞に選ばれたのは、大手の引越し社グループ。引越社関東、引越し社関西(アリさんマークの引越し社)が、その不名誉な大賞を受賞しています。
理由は、引越し社関東の男性社員を、不当な理由でシュレッダー配転にしたうえ、懲戒解雇にしました。その懲戒解雇の理由を「罪状」と記載し、男性の写真を入れた書類を、グループ店舗に掲示したことなどがあげられています。
東京都労働委員会では、これらの行為を「不当労働行為」として認定しました。同年、会見に出席した該当の男性社員は、「会社を改善したい」との意見を述べています。

web投票賞は日本放送協会

インターネットでの一般投票による、web投票賞に選ばれたのは「日本放送協会」(NHK)です。2013年に、当時31歳だった女性記者が、長時間労働によるうっ血性心不全で亡くなったことをうけて、選ばれています。女性は、亡くなる直前の1カ月、160時間近くもの時間外労働を強いられていました。
女性は結婚を控えており、第一発見者は連絡が取れないことを心配して駆けつけた婚約者だったそうで、彼女はベッドの上で、携帯を持ったまま亡くなっていたそうです。渋谷の労働基準監督署は、これを労災認定し、NHK側も「深夜に及ぶ業務や十分な休日の確保ができない状況にあった」ことを認めています。

特別賞は大成建設と三信建設工業

ブラック企業ランキングで特別賞に選ばれたのは、「大成建設」と「三信建設工業」。東京五輪メインスタジアムの新国立競技場の建設工事に従事していた、三信建設工業の新人男性社員が自殺したことが、その理由です。
当時21歳だった男性社員は、自殺する前に約190時間の残業を強いられていました。新宿労働基準監督署は、「残業による過労が自殺の原因」として労働災害認定し、下請けの三信建設工業、元請けの大成建設にも行政指導が行われています。

業界賞は新潟市民病院

ブラック企業ランキングの業界賞に選ばれたのは「新潟市民病院」。当病院は、新潟にある公立総合病院です。ここに勤務する女性研修医が、2016年睡眠薬を服用して自殺したのがその理由です。
女性の月平均残業時間は187時間、最も多い月は251時間もの時間外労働を強いられていました。病院側は、女性が研修医であったこともあり、「医師としての学習が目的で、労働時間ではない」と弁明しましたが、「女性の自殺は、こうした長時間労働による過労が原因である」として、2017年に労働災害認定されました。
医療機関としては、初めてのブラック企業ランキングにノミネートされてしまった新潟市民病院。人の命をつなぐ施設で働く医師や看護師たち。そうした人たちの働き方を見直す意味でも、医療業界全体でも注目が集まっています。

ブラック研修賞はゼリヤ新薬工業

ブラック企業ランキングで、ブラック研修賞に選ばれたのは「ゼリヤ新薬工業」。2013年に行われた新人研修で、研修中だった当時22歳の男性新入社員が自殺したことがその理由です。
男性は新人同期らとともに、会社が指定した宿泊施設に缶詰状態で数カ月間の新人研修に参加していました。その研修の中で、過去にいじめられていたことなどを大勢の同期の人たちの前で告白させられました。
当時の研修報告書には、「吃音ばかりか、昔にいじめを受けていたことまで悟られていたことを知ったときのショックはうまく言葉に表すことができません」、「一番知られたくなかった同期の人たちにまで知られてしまったのですから、ショックは数倍増しでした。頭が真っ白になってその後何をどう返答したのか覚えていません」、「涙が出そうになりました」などが記載されていました。
それに対し、研修担当講師からの返答は、「何バカなことを考えているの」「いつまで天狗やっている」「目を覚ませ」などといったものでした。男性は、強い心理的負荷を受け、精神疾患を発症してしまいます。その後、異常行動が見られたため帰宅を命じられた男性は、家に着くこともなく自殺してしまいました。
中央労働基準監督署は、この男性の自殺を労働災害認定し、遺族は、同年8月にゼリア新薬と新人研修を委託されていた人材コンサルタント企業を提訴。1億5百万の損害賠償請求を東京地裁に起こしています。

ブラック企業大賞にノミネートした企業

不名誉なランキングといわれる「ブラック企業大賞ランキング」ですが、実際にブラックと公表されることで、今後の是正を期待したいものです。ノミネートされた企業には、どのようなものがあるのでしょうか。

店のチーフが亡くなった株式会社いなげや

ブラック企業ランキング大賞にノミネートされた企業のひとつ「いなげや」。いなげやは、立川に本社があるスーパーマーケットチェーン店です。
2014年に当時42歳で店のチーフだった男性社員が店の駐車場で倒れ、脳血栓によって亡くなってしまったことがノミネートの理由です。男性が倒れる前の時間外労働時間は平均75時間53分。これ以外にも、サービス残業や日時が特定できない違法な長時間労働時間があったとされており、2016年に労働災害認定されました。
ちなみに、この「いなげや」では2003年でも従業員が過労自殺し、労働災害認定を受けています。

男性社員に過労が認定されたパナソニック株式会社

家電製品で知られる「パナソニック株式会社」もブラック企業ランキングにノミネートされた企業のひとつです。その理由は、2016年に富山工場に勤務する40代の男性社員が自殺したことがあげられています。
男性の残業時間は、自殺前の1カ月で100時間以上だったといいます。また、このあとにも同富山工場の社員3人が月平均97~138時間の違法な長時間労働をさせられていたことが明らかとなりました。
パナソニック側は、「雇用関係がない」としていましたが、福井市の工場では、2次下請け社員が過労死認定されていることもあり、この件でもパナソニックとその幹部2人が労働基準法違反の疑いで書類送検されています。

時間外労働の強制があった大和ハウス工業株式会社

国内最大手の総合住宅メーカー「大和ハウス工業株式会社」も、ブラック企業ランキングにノミネートされた企業です。理由は、埼玉県の営業職だった20代男性に違法な時間外労働があったというもの。
男性は、当時大量の業務をこなすために、住宅展示場の事務所や営業車内で隠れて残業していました。その残業時間は月100時間を越えてしまい、男性はそうした長時間労働が原因でうつ病に。2016年には同社を退職することなってしまいました。
大和ハウス工業株式会社は、この件で是正勧告を受けましたが、過去2011年にも労働時間の管理に関しての是正勧告を受けていました。今後、働き方改革の適正な見直しがなされているかどうかが注目となります。

賃金未払い問題を起こした大和運輸株式会社

国内最大手の宅配業者「大和運輸株式会社」もブラック企業ランキングにノミネートされています。
大和運輸株式会社は、2016年12月に神奈川県平川支店のドライバーに対しての残業代未払いがあり、是正勧告を受けました。2017年5月には、パート従業員の勤務時間改ざんや、賃金の未払いがあったとされ是正勧告を受けています。
また同年9月に、博多北支店のドライバーの残業時間が上限である1カ月95時間を超え、月102時間の残業を違法に強いられており、同社と幹部2人が労働基準法違反の疑いで書類送検されました。

ブラック企業大賞の選定理由

さまざまな分野で活躍している人たちがメンバーとなっているブラック企業大賞を決める委員会では、ブラック企業大賞に選ぶための選定基準が設けられています。具体的な定義について見てみましょう。

労働法への違反や抵触

ブラック企業大賞を決めるのは、作家や弁護士、大学教授など、幅広いメンバーで構成される「ブラック企業大賞企画委員会」。
ブラック企業の基本的な定義としては、
1.労働法やその他の法令に抵触し、またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を意図的・恣意的に従業員に強いている企業
2.パワーハラスメントなどの暴力的強制を常套手段として従業員に強いる体質を持つ企業や法人(学校法人、社会福祉法人、官公庁や公営企業、医療機関なども含む)
とされています。コンプライアンス違反などは、もってのほか。労働法を侵している可能性がある企業などもノミネートされる可能性もあります。

長時間の時間外労働

上記で述べた定義に加えて、具体的な指標もいくつか設けられています。その中のひとつが「長時間の時間外労働」です。
労働基準法で定められているの労働時間は、「1週間で40時間、1日8時間」と上限があります。長時間労働、長時間過密労働などは、上限を大幅に超えて残業をする法定外労働のことをさしています。
法定外労働については、労働基準法第36条(36協定)という基準の範囲内であれば、時間外労働ができるという制度もあります。基準範囲は、一般の労働者で1週間15時間、1カ月で45時間など、具体的な限度が設けられており、基本的にはこれを超えた時間外労働は認められないという主旨になっています。

賃金や残業代の未払い

従業員に支払われるべき賃金や残業代の未払い、低賃金なども選定基準項目に含まれます。働いた対価として、企業が従業員に対し賃金を支払うのはもちろんのこと、残業代については労働基準法第37条で定められている賃金を支払う義務があります。
具体的な賃金の基準としては、
1.時間外労働:通常賃金の25%以上の割増賃金
2.休日労働:通常賃金の35%以上の割増賃金
3.深夜労働:通常賃金の25%以上の割増賃金
となっています。当然、サービス残業などといった制度は存在しないのです。

従業員の権利にかかわる制度の不備

女性に身近な産休ですが、現在女性だけでなく男性も利用することが多い育休。こうした従業員の権利にかかわる制度の不備も、選定基準項目となります。
当然、こうした制度がないという企業はブラック企業といえるでしょう。妊娠した女性は、退職せざるを得ませんので、企業側としては、はじめから女性がいずれ退職することを認識して採用しているからです。
育児によって休みがちになったり、長く勤める女性がいなくなることで、新しい従業員を安い賃金で雇いなおすほうが良いと考えている企業には、こうした傾向が見られるようです。

いじめやセクハラ

セクハラやパワハラ、いじめ、不当解雇などといった、理不尽な企業体質もブラック企業選定の項目になります。
セクハラについては、国が設けた「男女雇用機会均等法」によって、男女の均等な機会や待遇、差別の禁止などが定められています。会社側に直接訴えても処遇が是正されない場合は、企業名を公表する対象ともなりますので、覚えておきましょう。
常態化されてしまいがちなこうした傾向は、社風なども影響している可能性があります。行政の専門窓口や労働組合、弁護士などに相談してみるのがよいでしょう。

派遣に対する差別や依存

上記のほかにも、派遣に対する差別や依存などの待遇面などもブラック企業選定の基準となります。
ブラック企業に対し、優良企業をホワイト企業といいます。ホワイト企業に勤める派遣社員は、正社員のようにボーナスや昇給がなくても残業代が支払われることが当然ですが、残業時間も多くはありません。プライベートな時間を確保したい人にとって派遣社員で働くことは大きなメリットとなります。
しかし派遣社員のスキルの高さなどを目当てに、正社員と同等の仕事を任せきりにしたり、使い捨てのような待遇をするような企業はブラックと考えてよいのかもしれません。

ブラック企業ランキングに入りやすい業界

一般的にノルマや残業が多くなりがちな企業は、「ブラックになりやすい」といわれています。それに見合った報酬を受けられるのかどうかも重要なポイントです。さっそくランキングに入りやすい業界について詳しく見ていきましょう。

歩合制の建築や住宅業界

建設業界や住宅業界は、ブラック企業ランキングに入りやすい業界といえるでしょう。特にゼネコンは、会社の大きさに関係なく、営業職・技術職など激務になりやすい傾向にあります。
建築や住宅は、数千万~数億円ものお金がついて回ります。案件をとることができなければ、当然給与も上がることはないので、強引な手法で購入させるといった手段をとることもあるようです。
ただでさえ競争率の高いことでも知られているのに、歩合制ともなればその労働力は計り知れません。残業時間が100時間を越えてしまうなども常態化しているのが、通例となってしまっているようです。

人手の足りない介護業界

医療や介護業界は、人手不足の影響が大きく拘束時間が長くなりがち。さらにシフト制が多いため、変則的な働き方が求められます。介護施設によっては、正社員の15~20日連勤は当たり前のように強いられているところや、社会保険に加入できないなどのブラック施設もあるようです。
特に介護士やヘルパーは、人の人生の終わりに直結する仕事でもあります。精神的・肉体的な負担は、ほかの職業よりも大きいでしょう。

ノルマの厳しい保険業界

一番押しの強い業界というイメージなのが保険業界。時間の都合がつけやすいという点から、小さいお子さんがいる女性が多く保険外交員として勤務しています。ほとんどが歩合制で、個人に課せられるノルマは厳しいという現状です。
現在はインターネット保険などの安い保険が人気を呼び、大手の保険会社は苦戦しているのが実情です。さらに少子化傾向である国内においては、保険会社同士での顧客の取り合いなどもあるようです。

深夜まで残業しやすいIT業界

ブラック企業が多い業界といえば、IT業界をイメージする人も少なくありません。実際SEなどの職業は、突然のプログラムの不具合にも対応しなければなりません。
デザイナーであれば、クライアントとの約束や入稿期日などに追い立てられ、深夜に及ぶ残業や徹夜作業なども強いられることになります。
SEもデザイナーもIT業界に携わるなら、勤務時間が不規則になるだけでなく、数日間の徹夜作業などもザラ。仕事量は膨大なのに、給与は低いといった傾向にあります。

低賃金のアパレル業界

バブル期の頃と比べると、服の需要は明らかに低下しています。給与の低下に伴って、衣類に使うお金も減ってきていることが要因です。
また、インターネットの利用により、フリマなどの利用数が増加したため、これまでのショッピングモールの利用客が減少している状況となっています。有名なアパレルブランドならともかく、小さな企業では大きな不安が残るばかり。アパレル業界への就職を考えているなら、大手の有名ブランドがよいでしょう。

ブラック企業ランキングからわかること

ブラック企業ランキングにノミネートされた企業には、幾つかの共通点も見受けられます。人間関係や、福利厚生、給与や残業時間など、法律で定められている事項をしっかりと理解しておきましょう。

休日出勤や残業は無理して行う必要がない

休日出勤とは、会社で休日と決められた日に出社し、業務を行うことをいいます。休日出勤については、労働基準法で定められた休日や労働時間、賃金の支払いなどがきちんと守られていない場合は、違法となります。
また休日出勤をした際には、その代わりとして代休の申請をすることができます。もしくは、割増賃金を請求することもできるようになっているので、臨機応変に対応するのがよいでしょう。
休日や労働時間外の業務は、本来労働の義務がない時間です。無理に行う必要がないことも抑えておきましょう。

雇用契約書はきちんと確認する

就職先からの内定の連絡を受けたら、入社承諾の前に行っておきたいのが「雇用契約書の確認」です。雇用契約書は、内定通知と同封されてくることが多いのですが、電話による内定通知の場合は、改めて書面で郵送してもらうようにしましょう。
雇用契約書に記載された昇給や賞与、試用期間や勤務時間などの要点は、前もってしっかりと確認しておくことが重要です。入社してから「こんなはずではなかった…」と後悔しないためにも、事前の準備や情報収集そして条件の確認などが大切となります。

上司の暴力や暴言には屈しない

上司からの暴力や暴言といった、パワーハラスメントが問題視されるようになった昨今。パワハラとはどんなものなのかの定義づけはさまざまです。しかし力を持っている先輩や上司に限らず、同僚や部下からの嫌がらせやいじめなどもパワハラであることを知っておきましょう。
専門知識の有無や業務の経験、人間関係における優位性などによって怒鳴られたり、いじめられたりといったケースも少なくありません。こうしたケースはパワハラと認定されるものがほとんどで、精神的または身体的な苦痛を与えるものとなるのです。
このような暴力や暴言に屈しない強い気持ちが大切となりますが、ひとりで抱え込んでしまう前に、組合や、しかるべき部署、信頼できる同僚などに相談してみるのがよいでしょう。スマホなどを利用して、会話を録音しておくのも有効な手段です。

ミスや遅刻で罰金を払う必要はない

勤務先などで「遅刻したら罰金」「ミスをしたら罰金」など、罰金制度を課せられているということはありませんか?そもそも企業から従業員に対しての罰金制度は、違法なもの。労働基準法違反となり、経営者の逮捕や書類送検の可能性があります。
実際にアルバイトがオーダーミスをしたり、退職の報告を1カ月前にしていなかったことから、罰金を徴収したという喫茶チェーン店や、大手のコンビにチェーン店が女子高生から欠勤した罰金を取っていたことが発覚。いずれも経営者が労働法違反によって書類送検されています。

1人で悩まずに誰かに相談する

もし、勤務先で不当な労働を強いられていると感じたなら、すぐに身近の誰かに相談しましょう。こうした悩みは、つい自分自身の問題と捉え一人で抱え込んでしまいます。
しかし、知らず知らずのうちにストレスを蓄積した体は、精神的・身体的にも影響を受け、体がSOSを発したときには手遅れ、という可能性も考えられるのです。
信頼できる人が周りにいない場合は、行政の専門窓口や弁護士に相談しましょう。法律のエキスパートである専門の人に相談することで、解決の道が必ず開けるはずです。

労働環境が酷いと感じたら是正を求めよう

ブラック企業ランキングは、毎年「ブラック企業対象企画委員会」がある一定の指標を基準として判断しています。
企業にとってはとても不名誉なランキングではありますが、「誰もが安心して働ける労働環境を作ることを目指して」解されているもの。働く側にとっては企業の情報を知るための有効な手段ともいえるでしょう。
もしあなたが働いている労働環境に疑問を感じているなら、積極的に是正を求めるべきです。より良い企業を目指して、働きやすい環境づくりに取り組むのも企業の義務なのですから。

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