賞与の平均の比較について。さまざまな角度から見えるものとは

April, 01, 2018

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自分の賞与は妥当なのか

賞与とは自分が汗水たらして働いた証という訓示を聞いたことがありますが、本当にそうでしょうか?賞与というのは勤め先によりさまざまな形態があるので、一概にいえませんが、今の自分の賞与が高いのか低いのか知りたい方も多いはず。
賞与の平均や計算方法、それと賞与が比較的多い業態などを見ていきましょう。
いろいろな角度から賞与について考えることによって、自分の賞与が妥当であるのか気が付くはずです。

賞与の平均と比較について

まだ根強い年功序列の賞与

平均賞与は平成21年の厚労省の調査で、夏冬合わせて117万7,337円で、最新平成30年のデータではピークの賞与は60代前半の約122万8千円です。
賞与は基本的には役職が上がればそれだけ増え、したがって年齢を重ねるとある程度の金額が上がります。

年功序列の図式は今も変わらずあり、新入社員が最も低く20代30代と年齢が上がるにつれ、賞与も増えていきます。
ただ近年ではバブル期のような差というのはなく、役職別にしても新入社員と勤続年数20年の社員の差というのは縮まっている傾向です。

ただ実績評価という項目などが追加されている企業があり、営業職などでは成功報酬制がよりとられているというのが現状です。
ただ役職につくと賞与が上がるというのは変わりなく、その点は今後も変わることは無いでしょう。
ただ最近では若いうちに役職につける企業などが増えているので、年齢別の差が縮まりつつあるのは当たり前かもしれません。

厚生労働省賃金構造基本統計調査
http://www.mhlw.go.jp/toukei/youran/roudou-nenpou2016/03.html

厚生労働省平成22年:賃金引上げ等の実態に関する調査
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/jittai/10/kekka06.html

夏より冬の方が多いのが一般的

夏の賞与より冬の賞与の方が多いのが一般的で、日本経団連による一部上場150社の調査によると夏季賞与は一社平均77万9,029円、冬季の賞与は同調査で80万1,333円と冬季の方が多いです。
夏季と冬季の賞与の違いというのは決算時期が関係しているといわれており、決算賞与として手渡している企業が多いため、夏季の賞与の方が少なくなるという傾向です。

ただ決算時期が9月にある企業なども多く、したがってあまりこのデータはそのまま受け取れないケースもあり、自分の勤める会社の決算時期がいつであるか、業績はよいのか悪いのかということのほうがより賞与に大きく関わってきます。
同じ業態や同じような決算をしている会社と比べてみるとよいでしょう。

日本経団連 2017年冬季賞与
https://www.keidanren.or.jp/policy/2017/088.pdf
日本経団連 2017年夏季賞与
http://www.keidanren.or.jp/policy/2017/058.pdf

賞与の男女差は男性に軍配

賞与の男女差はやはり大きく、平成29年9月の国税庁の調査では平成28年男性の賞与の平均は約83万1,000円、女性は約38万1,000円と大きく男性が上回っています。
ただ同じ仕事や役職についている女性はしっかりと賞与を得ている傾向もあり、その差はの要因は働き盛りの時期に丁度子育てなどで仕事を辞め、それから復帰する女性が多いので、この賞与の差となって現れているのではと推測できます。

あとは職種の種類の違いや管理職に男性が多いのは事実です。
年間に換算すると男性に対して女性の所得は72%程度。
当然賞与の差もこれに含まれ、女性の方が少ないということ。
その差は縮まりつつありますが、まだまだ男女差は埋まらないようです。

今後子育てや家事の分担制度の文化がどこまで浸透するかによって変化がでてきます。
また職種についても男性しかいなかった職種に女性が進出していくことによりデータは変化していくでしょう。
ただ女性の方が多い職種(特に看護と介護など)に男性が入り込むのはなかなか壁が高いので、この職種の壁が取り払われることがあるのかという点は今後の課題です。

民間給与実態統計調査国税庁ホームページ
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2016/pdf/001.pdf

大企業は中小企業の約3倍

厚労省の調査によると平成29年夏季賞与で社員500人以上の企業は63万1,353円、社員5人から29人の企業は26万7,386円という数値が出ています。
比較すると大企業の方が約3倍多く賞与をもらってることに。
やはり決算と資金の差が賞与に大きく表れている状況なのは否めません。
近年では特に大企業の内部留保が増えると共にその差が広がりつつあります。

当然業態や業績などにより違いはありますが、資金が多いほうがボーナスを支払うという気持ちになりやすいのは当たり前なので、資金の多い大企業の賞与が多いのは当然かもしれません。
人材の不足などからこれに該当しない例もあったりしますが、基本的には大企業の方が多いということです。

厚生労働省毎月勤労統計調査
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/29/2909p/2909p.html

公務員の平均は民間企業の約2倍

国家公務員の賞与は三菱UFJリサーチコンサルティングの調査で72万1,841円(2017年冬の見通し)、これは民間企業(同調査の37万2,235円)の約2倍の値です。
当然民間のサラリーマンでももらえる企業ともらえない企業がありますから一概に比較はできないですが、公務員はその人材の維持のためにある一定量の所得は保証しておかないといけないので、適応だといえば適応です。

大企業やベンチャーで業績がよい企業などでは公務員を超える賞与を払っている会社も。
基本的には景気にも左右されますが、公務員は民間企業の2倍程度の賞与がもらえています。
この辺は非常に安定しているのはよいところです。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング 2017 年冬のボーナス見通し
http://www.murc.jp/thinktank/economy/forecast/bonus/bonus_1711.pdf

賞与の計算方法

それでは賞与の計算方法をみていきますので、それを参考にして自分の賞与を比べてみるとよいです。

基本給や基準月数で決まる民間企業の賞与

賞与は基本給×倍率で計算するのが一般的です。
それに夏は1.2倍、冬は1.4倍をかけた数値を元にして、そして決算の成績によりさらに倍率が増えたり減ったり。
基本給を基準にしていますから月給の何カ月分などというふうに一般的にはいわれたりしています。

決算は年1回のところもあれば、4半期ごとに年4回あるところもあり、それは一定ではありません。
ただし基本的に賞与は夏と冬の2回が1番多いようです。
賞与の月についても計算するのが会社ごとに決まっており、就業規則に書いてありますので、それを参考にしてみて下さい。
一般的には賞与支給月の前までの6カ月の月数の出勤データや勤務業績などから算出されるケースがほとんどです。

給与と賞与では社会保険料などの計算が違うので、引かれている税金の額は変わり、もし基本給の1倍の賞与をもらった場合には手取りでは給与より少なくなるので注意。
源泉徴収額の計算も異なりますので、引かれている額を見て不思議に思うのは当たり前です。

手当で決まる公務員の賞与

公務員は基本給にプラス手当がかかり賞与を計算するようになっており、この手当というのは各自治体ごとで異なるため、興味があるなら各役所などで調べてみましょう。
ちなみに国家公務員のボーナスについては大まかな数字が出ていたりしますが、基本不公開です。

公務員には賞与を一部カットという時期がありましたが、基本ボーナスは夏冬2回もらえます。
一部の職種を除いては非常にこの面では恵まれているかと。
当然勤務状況などもしっかり賞与に反映することは間違いありません。

手当などを含まれている基本のものに勤務実績や勤務評価などをかけたものが公務員の賞与に。
中小企業から見ると非常にうらやましい限りです。

賞与の多い業種

賞与の多い業種というのをみていき、なぜその業種が多いのか考えてみましょう。

景気に左右されにくい金融業や保険業

金融業や保険業というのは比較的景気に影響をうけにくくなっている業態で賞与も安定して高いです。
なぜ高いのかというと、優秀な人材の流出防止と、社会的な責任から情報管理などをしっかりとする必要性から基本的なお金を沢山払っておこうというためといわれています。

また不況になっても金融や保険はある程度利益が確定している業種なので、比較的高い水準で賞与を払って、企業の内部留保に頼る必要性が少ないという点も挙げられます。

ただし近年のキャッシュレス化や企業合併、マイナス金利、外資系の進出などにより、これまでのように安定しているかといとそうでもない状況。
ですが一般企業と比較すると景気に左右されにくく高水準の賞与を得られる業種です。

もともと基本給の高い公認会計士などの士業

もともと基本給が高い公認会計士などの士業も賞与が高い業種です。
基本給がけで賞与が決まり、そして資格を持っているため、専門的な分野に長けていること、それから必要最低限のニーズが常にあることからこれらの業種は賞与が高いです。

もちろん勤め先の契約次第で決まるので一概にはいえないですが、平均と比較すると高い傾向です。
これらの仕事も特に独立などが絡まない限り安定して仕事を得られる環境にあるので、賞与にも還元されるということ。
またその仕事には秘匿性が高いものが多いのも賞与が高い理由の一つです。

資格を取るまではいろいろお金がかかったり給料が低い職場で働いたりと大変ですし、資格の試験は難しいですが、一回取れば大抵のケースでは一生使えるもの。
資格を取れば安定した生活が保障されている業種です。

携帯電話やインターネットの通信業

携帯電話やインターネットの通信業も比較的賞与が高い業種です。
いうまでもなく企業の利益がある程度安定しているので内部留保を溜める必要性がないことが大きな理由でしょう。
日本のインターネット普及率は80%を超えており、それに替わる業態もないことから非常に安定して高いお金を払って、よりよい人材を維持したいという考えの企業が多いのも実情です。

携帯電話などは格安スマホの普及や回線などの開発などが起こると少し流れが変わりますが、大まかに考えて使う人が減るということは考えにくく、通信業はこれからも独自のテクノロジーを開発していけば、より企業の利益が上がる業態といえます。
当然人気が高く、なかなか転職などは狭き門ですが、安定した生活を得たいのなら選びたい業種です。

近年賞与が上がってきている製造業

製造業に関しても近年は賞与が高くなっている傾向です。
理由は本来業績のアップを給料として社員に還元したいところを給料アップでは将来的に不安なので、賞与の査定額をアップさせて還元しているというところが実情で、そのため賞与が上がっている業種です。

もちろん中小の企業ではいまだに苦しいところもあり、賞与などがでない企業もありますが、近年の人材の恒久的不足からその確保のために好待遇を提示する必要が。
製造業の中でも特に輸出をメインにしている業態は強いです。
また食品関係も一定の需要があるため、安定しています。

今後どのようになるかは解りませんが、人材の不足はしばらくの間続くことが予測されるので、賞与は高い水準で維持していけるのならそうしたいというのが企業の本音でしょう。
特にこれからの技術開発に携わる人材の育成とその囲い込みが課題でもある業種です。

思い切って転職も

賞与についていろいろな角度からみていきましたが、今の会社の賞与などを含めた待遇に関して不満を持っているのなら思い切って転職も考えてみてもよいかと。
今後は企業の人材不足という課題にしばらく立ち向かうことになります。
人材が売り手市場のときほどいろいろな職業を選ぶ絶好の時期です。

給与や賞与の待遇は当然自分の生活に関わるので、しっかりと考えて自分の能力が活かせる場所を見つけてみてはいかがでしょうか。
ただ考えないで転職すると後悔しますので、今の会社を辞める前にしっかりと慎重に検討されることをおすすめします。

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