UKANO家計のクリニック

未経験から正社員登用を目指す方法とは。ポイントと注意点

結婚や子育てにはお金が必要。正社員を目指す方法は?

近年、アルバイトやパートの志望動機に、正社員になりたいという理由や動機を持った女性が増えています。
子育てには大きなお金がかかります。
AIU保険が行った「AIUの現代子育て経済学2005」の調査結果によると、子どもが社会人になるまでにかかる養育費は、子ども一人当たり約1,640万円。
さらに教育費が必要です。

「子どもにお金がかかるので、正社員でしっかりと働きたい。」
「ブランクもあるし、未経験の職種でいきなり正社員を目指すのは不安。」
という悩みを抱えてる女性は少なくありません。

日本の雇用制度には、アルバイトやパートから正社員を目指せる正社員登用制度というものがあります。
一体どのような制度なのでしょうか?詳しく解説していきます。

正社員登用制度の特徴

非正規雇用社員から正社員を目指す制度?

パートやアルバイトなどの非正規雇用社員から正社員を目指す制度に、「正社員登用制度」というものがあります。
読み方は、「せいしゃいんとうようせいど」です。
求人情報でよく見られる、「正社員登用制度あり」という表記。
これは、アルバイトやパートから正社員になれる制度を設けているという意味です。

子育てや結婚で仕事のブランクがある中で、未経験の分野で正社員になるのは不安が大きいもの。
しかし、アルバイトやパートとして仕事を身につけた上で正社員へステップアップが目指せるので、精神的にも体力的にも負担が軽減されます。

さらに、正社員になれば、「収入面での安定」「社会的信用を得られる」「社会保険や雇用保険に加入できる」などの数多くのメリットが。
正社員登用制度は、子育て中のママやブランクのある主婦の大きな助けとなる制度です。

予め職場の雰囲気を知ることができる

職場の雰囲気を何も知らないままの状態でいきなり正社員になるというのは、リスクが大きいもの。
しかし、アルバイトやパートからスタートすることで、職場がどのような雰囲気かを把握でき、安心感が得られます。

正社員として働くのであれば、無理がなく働ける職場であることが理想です。
アルバイトやパートとして働きながら、将来本当に正社員として頑張れるかどうかの判断をする時間はとても大切です。
いきなり正社員として働いて、「こんなはずではなかった。
今更辞められない。
」と後悔してしまう事態を防ぐことができます。

人間関係を作ってから正社員になれる

人間関係は仕事をする上で重要です。
良い人間関係が築けていると、仕事の連携をスムーズに行えます。
一方で人間関係に問題があると、仕事に対する意欲が下がってしまったり、時には精神的に負担がかかってしまうことも。

正社員になると、アルバイトやパートの人達をまとめたり指示をだす役割を担う場面が増えてきます。
人間関係をある程度作ってから正社員にステップアップすることで、コミュニケーションが取りやすくなるのもメリットの一つです。

条件によって正社員になれない場合も

求人広告などに「正社員登用制度あり」と書かれていたにも関わらず、条件によっては正社員になれない場合があるので注意が必要です。

たとえば、正社員になるためには特定の資格を取得しなければならない場合や、筆記試験や実技試験で合格点を取らないと正社員にはなれないなど、会社独自のルールが設けられているケースも。

厚生労働省が行った「平成21年有機労働契約に関する実態調査」によると、正社員登用制度がある会社で実際に正社員登用を行ったかという質問の回答は「ある程度ある」が52.2%、「少ない」が31.2%、「ない」が15.9%という結果でした。

正社員登用制度を設けている全ての会社が、必ずしも正社員登用を行っている訳ではないということです。
アルバイトやパートから正社員へのステップアップを希望するのであれば、申し込みや面接の時点で、あらかじめ正社員登用制度や登用実績があるかどうかの確認をしておく必要があります。

正社員登用制度が多い職種

アルバイトからが当たり前のアパレル関係

アルバイトから正社員にステップアップする例が多いのが、アパレル関係の仕事。
特に販売の仕事などは、アルバイトを経て正社員になるのが当たり前という会社も少なくありません。

ファッションは20代、30代などさまざまな年齢層をターゲットにしたブランドが多く存在しています。
そのため、アパレル業界では年齢を問わずたくさんの女性が活躍しています。

正社員に起用されるためには、売り上げをあげるなど実績を積んでアピールしたり、裏方の雑務を積極的にこなすなど真面目に勤務を行うことが大切です。
実績を積み重ねて、販売職の正社員からアパレル本社に昇進したキャリアアップの例も存在します。

エステやネイルなどのリラクゼーション系

エステやネイルなどリラクゼーション系の仕事も正社員登用が多い職種の一つです。
リラクゼーション系の仕事は、スキル・知識・経験などすぐには習得できない能力が求めらます。
個人の能力が求められる仕事なので、ある程度実力を知った人を正社員として雇用したいケースが多いのです。

働きながらスキルを身に付けることができるので、フリーターや未経験の人でも積極的に採用している会社も少なくありません。
身につけたスキルを活かして、将来的に独立して開業を目指すことも可能です。

主婦のスキルが生かせるスーパーなどの販売系

スーパーなどの販売系の仕事は、主婦のパートやアルバイトを積極的に正社員に登用する会社が増加しています。
家事などで培った気配りや手際の良さなどのスキルを活かし、責任感を持って仕事に取り組んでくれる主婦は大きな戦力となるためです。

正社員の登用は、信頼できる人を起用したいと考えるもの。
パートやアルバイトのうちにリーダーや売り上げ管理などの大きな役割を任せられていると、会社からの信頼を得ることができます。

そのため、正社員への登用を希望する際に有利となるのです。
普段から仕事に対して真面目に取り組んでおきましょう。

マナーが備わった主婦のニーズが高いオフィス系

ビジネスマナーが求められる機会の多いオフィス系の仕事。
電話応対や一般常識、挨拶などの基本的なマナーが備わっている主婦を起用したいと考える会社も多く存在します。

オフィス系の仕事は、エクセルやワードなどのパソコンスキルを持っていると有利です。
結婚などを機に一度は退職していても、これまでのキャリアを再度活かすことが可能です。
パソコン操作が苦手であっても、基本的なパソコンのキーボード操作ができれば、仕事をしながら覚えられます。

ビジネスの通信講座や、ハローワークなどにパソコン操作の職業訓練も実施されているので、再就職までに事前に勉強しておくと、面接の際に有利にアピールすることができます。

働きながら資格を目指せる介護福祉系

介護福祉系は、実は専門の資格を持っていなくても働ける仕事の一つ。
働きながら資格を習得できるので、資格をとればさらにキャリアアップが可能です。
資格取得制度を設けて、資格の習得をサポートしてくれる会社も多いのが特徴。

さらに少子高齢化によって今後もさらに需要が高くなる仕事であるため、未経験の人が積極的に採用されています。
未経験でもキャリアアップを目指して長く働きたいという方にもおすすめの仕事です。

これらの仕事以外にも、時間の融通がききやすい営業系も主婦が多く起用されています。
たとえば保険営業などは、子供の行事とも両立ができるので子育て中の主婦の方にもおすすめです。

制度があってもほとんど正社員登用しない企業もある

仕事が大変で希望者がいない

正社員登用制度を設けていても、中にはほとんど正社員登用を実施していない会社が存在します。
たとえば、体力的にも精神的にも大変で、正社員を希望する従業員がほとんどいない場合などがあげられます。

正社員を目指すのであれば、自分に無理のない範囲で長く続けられる職場を選びたいもの。
仕事を選ぶ際に、仕事内容に無理がないか、会社の評判などをクチコミなどでチェックしてみることもおすすめです。
知人に会社の関係者がいる場合は、仕事内容や雰囲気などを聞いてみると良いでしょう。

現在は行っていないが求人情報が更新されていない

過去に正社員登用を行なっていても、現在は全く行なっていないという会社も。
求人情報は、必ずしも全ての会社が最新の情報を掲載しているとは限りません。

中には、正社員登用制度がないにも関わらず嘘の求人情報を掲載する会社も存在します。
いつかは正社員になれると期待をさせて、アルバイトやパートとしていつまでも長く働かせるという悪質な例も。

このような事態を防ぐためには、面接時に過去にどのくらいの人数が正社員として登用されているのかを確認しておく必要があります。
求人情報の内容に嘘がないかをしっかりと確認しましょう。

登用した人が成果をあげなかったので登用に慎重

過去に正社員登用制度を利用した人の勤務態度が著しく悪かったなどの例から、正社員の登用に慎重になっている会社も。
このような場合に正社員に登用されるためには、会社側から信用を得ることが大切です。

実際に正社員を希望していることを会社にしっかり伝えることや、仕事を真面目に行って熱意を伝えることなどで信用をコツコツと積み上げていきましょう。

登用条件が厳しすぎる

正社員登用制度を設けている会社であっても、登用条件が厳しすぎてなかなか正社員になれないという例もあります。
正社員登用のための試験が非常に難しかったり、一度でも試験に落ちてしまった場合は今後正社員を目指すことはできないという会社も。

また、何度も正社員登用試験に落ちてしまうと、デメリットがあります。
会社内の評価や他の会社に転職をする際に、「何回も試験に落ちているので何らかの事情があるのでは」という印象を与えてしまう場合があるのです。
事前に正社員の登用試験の有無や登用条件を確認できる場合は、面接時などに確認しておくと良いでしょう。

登用実績は面接時に確認を

正社員を目指してアルバイトやパートとして働き始めたのに、結果的に正社員になれなかった場合は、また一から就職活動を始めなければなりません。
それまでに費やした時間や人間関係を作った労力などが水の泡になってしまいます。

このような事態を防ぐためには、事前の確認がとても重要です。
本当に正社員になることは可能であるのか、これまでの正社員の登用実績や条件はどのようなものか、面接時にしっかりと確認しましょう。

確認しておきたい内容

正社員に登用されやすい人

非正規雇用でも仕事に前向き

会社にとっては、正社員を雇用するということは大きな時間やコストがかかります。
そのため、正社員に登用する場合は、会社にとってメリットのある人の方が任される確率が高くなります。
たとえアルバイトやパートなどの非正規雇用であっても、仕事に前向きで熱心な人は強いアピールに繋がります。

さらに、アルバイトやパートのうちからリーダー的役割を任されていると、会社からの信頼が厚くなります。
業務は責任感を持って正確に行う、指示をされなくても自分から積極的に働きかけるなどして、前向きに仕事を行なっていきましょう。

コミュニケーション能力が高い

コミュニケーション能力は、さまざまな職種で求められることの多い重要な能力の一つです。
会社内でのチームワークや雰囲気作り、顧客に対しての接客態度など、コミュニケーション能力が必要な場面がたくさん存在します。

さらに正社員の立場になると、チームをまとめるなどいろいろな場面でリーダーシップを発揮しなければなりません。
コミュニケーション能力が高いと、従業員との連携をスムーズに行いやすくなるのです。

そのため、コミュニケーション能力が高いということは、会社にとってより評価されやすくなります。
普段から挨拶はしっかりと行う、報告・連絡・相談の「ほうれんそう」を臨機応変に行うなど、常にコミュニケーションを意識するようにしましょう。

人間関係が良好

人間関係は仕事をする上でとても大切です。
特に、人数の少ない職場は人間関係が密接になり、人間関係がより重要になる傾向にあります。
良好な人間関係を作れていれば、連携がスムーズになり、コミュニケーション能力が高いとして評価にも繋がるなどのメリットが。

一方で人間関係があまり良くないと、仕事に行くのが辛くなってしまって大きなストレスを抱えてしまうことも。
会社からは、せっかく正社員に登用してもトラブルで辞められてしまうリスクがあるため、敬遠されてしまう場合があります。

良い人間関係を作るためには、挨拶をしっかり行なったり、困っている人には進んで協力するなど、普段から積極的にコミュニケーションをとっておくと良いでしょう。

人間関係を良くするためには?

遅刻や無断欠勤がなく信用できる

正社員として登用されるためには、会社ごとに定められている一定の基準や評価を満たしている必要があります。
たとえば、遅刻や無断欠勤をすることがない、自分の都合で勤務シフトを安易に変更しないなど、勤務態度は評価に大きく影響します。

勤務態度は、「その人が信用できる人物であるかどうか」をあらわす重要な判断基準となるのです。
せっかく仕事に熱心に取り組んでいても、遅刻や無断欠席を繰り返すと次第に信用を失ってしまいます。
たった一度のミスで、それまで築き上げてきた信用がなくなることもあるのです。

止むを得ず欠勤する場合は、代理の人を探したり迅速に連絡するなど、社会人としてのルールをしっかりと守りましょう。
また、突然欠勤が出てしまったり繁忙期などで人手不足の時など、日頃から積極的にシフトに協力していると会社からの信頼を得やすくなります。

信用される人物になるためには?

自分に合った職場で無理せず楽しく働こう

正社員登用制度を利用すれば、未経験であってもアルバイトやパートで実力をつけながら正社員を目指すことが可能です。
せっかく正社員になるのであれば、自分に合った職場で楽しく働けることが理想的です。

無理のない仕事内容であるか、目的に合ったキャリアアップが可能であるか、応募前にしっかりと確認しておきましょう。
あなたに合った職場が見つかるように、ぜひ参考にしてみてください。
理想の職場で、将来に備えると同時に、キャリアアップを目指して自分自身もステキに磨いていきましょう。