コンテンツ
学資保険と終身保険の違いを知って、教育資金を貯めましょう
子どもの明るい未来のためには資金が必要です。
教育資金を準備する方法として、貯金のほかに生命保険の学資保険と終身保険を利用する方法があります。
近年は終身保険を学資保険の代わりにする方が増加しているのです。
生命保険には、明治安田生命の「ライト」のように積み立て型、一時払い終身、学資保険の3つのタイプがある商品も存在。
しかし、違いがわからなければどの方法がよいのか迷ってしまいます。
まずは、学資保険と終身保険の違いを知ることが必要です。
学資保険と終身保険の性質の比較
万が一の備えの要素が強い終身保険
終身保険は契約者が死亡した場合や高度障害になったときなど、万が一のタイミングで残された家族に支払いがある保険。
死亡保障は契約している限り一生涯続きます。
保険料は契約したときの保険料のまま変わらず一定の金額です。
貯蓄機能も備えた保険
貯蓄機能も備えた保険なので、支払った保険料は積み立てられています。
終身保険を解約すると解約返戻金として返戻金を受取ることが可能です。
その解約返戻金も一定の期間が経てば支払った保険料を上回ることもあるのが終身保険の特徴となっています。
貯蓄性が高い学資保険
支払った保険料に対し受取ることができる保険金の総額をパーセンテージで表したものを返戻率といいます。
学資保険は、教育資金を準備するための保険なので返戻率が高く設定されている保険です。
支払った保険料よりも受取る保険金の総額が多くなる保険。
貯蓄性が高く、子どもの成長に合わせて保険金を受取ることが可能です。
以前よりも低くなっています
2017年4月から、各保険会社は保険料を値上げしたので返戻率は以前と比べると低くなりました。
それでも、返戻率は105%を超える商品もあります。
学資保険に加入することで、教育資金のための積立てができるのです。
子どもの成長に合わせて受け取れる学資保険
子どもの成長に合わせ必要な教育資金を積み立てる保険です。
高校入学、大学入学などに祝い金として受取るタイプと大学入学など必要なときに一括で祝い金を受取るタイプがあります。
祝い金を受取るタイミングとして15歳、18歳、20歳、22歳で祝い金が受取れるタイプの商品が存在。
ただし、保険会社により受取るタイミングは異なります。
高校受験、大学入学などのタイミングで受取る方法が一般的です。
学資保険のメリット
契約者死亡の時も保障が続く
学資保険には万が一契約者である親が死亡したとき、高度障害を負って収入が途絶えてしまったときなどに、保険料の払込が免除される払込免除特約があります。
この特約が適用になった場合、以後の保険料の支払いは不要。
ただし、この特約を付加するとわずかに返戻率が下がることがあるのです。
祝い金は受取れます
契約者が死亡しても祝い金は受取ることができます。
そのほか、「養育年金」という形で毎年保険金を受取ることも可能です。
払込免除特約を付加しなければ、保険料は多少抑えることは可能です。
教育資金を準備するためだけに加入するのであれば、払込免除特約を付加しない契約方法も検討してみましょう。
必要なタイミングで受け取れる
子どもの成長に合わせた卒業、入学などに祝い金として保険金を受取ることができます。
15歳満了タイプ、18歳満了タイプ、22歳満了タイプなどがあり受取る時期は保険会社の商品によってまたは契約の内容により異なりますが、性別に関係がなく受取ることが可能です。
18歳の祝い金は子どもの生年月日によって、大学などの入学前に受取ることができない場合もあるので、契約時に確認が必要となります。
また祝い金は据え置き制度がある商品もあり、保険会社より祝い金が受取れる時期になっても大学入学時など多額の資金が必要な時期に残しておくことも可能です。
そして、保管している祝い金は好きなタイミングで受取ることができます。
2つのタイプがある
貯蓄型と保障型の2つのタイプが存在する学資保険。
貯蓄型と保障型があります。
● 貯蓄型
特約がほとんど付加されていません。
シンプルに教育資金を準備するタイプです。
● 保障型
子どもが病気やケガなどで入院した際に給付金を受取ることができるタイプです。
保障がある分、返戻率が低く元本割れしている商品もあります。
保障型は貯蓄型よりも保険料が少し割高です。
学資保険のデメリット
保障型にすると返戻率が低い
保障型は、親に万が一のことがあった場合に「養育年金」が受取れるタイプと、親が死亡したとき死亡保障が受取れるタイプの商品があります。
そのほか子どもが病気やケガなどで入院、通院した場合、子どもが死亡した場合保険金が受取れる保障型の商品も存在します。
保障型の商品は、保障がある分保険料が上乗せされますので保険料は割高になり、受取る保険金の合計額が低くなる元本割れの状態になる可能性も。
学資保険に加入するなら貯蓄型がおすすめです。
途中解約手数料が高い
学資保険は貯蓄性が高く、満期までの継続を前提とした保険。
保険会社によっては契約してから数年たたないと解約できない商品もあります。
そして、一度解約するとその商品に再び加入することはできません。
すぐに解約しない
学資保険だけでありませんが、生命保険には契約者貸付制度や減額、払込済みにするなど解約しないで保険を継続させる方法があります。
● 契約者貸付制度
解約返戻金を担保に保険会社からお金を借りることが可能です。
貸付の限度額は返戻金の70%から90%、利息も発生します。
きちんと返済すると祝い金を受取ることが可能です。
● 減額
保険料を下げるため学資保険の一部を解約します。
この制度は、保険会社によってはできない場合があるので確認が必要です。
● 払込済み保険
いままでに支払った保険料で保険を継続させる方法です。
子どもの将来のために少しでも資金として取っておくことができます。
途中で解約できたとしても返戻金が支払った保険料よりも低い金額になる可能性もある商品です。
愛しい我が子のための保険ですが日常生活を圧迫するような無理はしないようにしましょう。
加入時期に制限がある
保険会社の商品によりますが学資保険は加入時期に制限があります。
子どものための保険なので、被契約者となる子どもの年齢が0歳から6歳、契約者も60歳未満などの制限があるのが特徴です。
出生前140日から加入できる商品があるのも学資保険の特徴です。
つまり妊娠中でも加入することはできます。
子どもさんの年齢の低いうちに、契約者である親の年齢も1歳でも若いうちに加入したほうが保険料は安くなるのです。
祖父母にも制限があります
かわいい孫のために祖父母が契約者となる場合があります。
しかし祖父母にも年齢制限があるのです。
保険会社にもよりますが契約可能なのは70歳までのところが多くなっています。
終身保険のメリット
保障は一生涯続く
終身保険は終身という言葉のとおり死亡保障期間は、加入して途中で解約しない限りは一生涯続きます。
そのほか、保険会社が定める高度障害状態になったときにも保険金が受け取れるのが終身保険です。
終身保険の保険料の支払い方法は3タイプあります。
● 終身払い
保険料を契約期間はずっと支払い続けます。
● 有期払い
保険会社により異なりますが、10年や15年、60歳や65歳など年数や年齢で保険料の支払いを終わらせるタイプです。
終身払いよりも保険料は少し高くなります。
● 一時払
契約時に保険料を一括で払うタイプです。
一度に数百万円の保険料になります。
定年を迎えた方が退職金を利用して加入する場合が多いです。
保険料の支払総額は、終身払が一番多く一時払いは安く抑えることが可能です。
払込の方法は契約時に選択します。
好きなタイミングで加入できる
終身保険は、年齢制限がないので好きなタイミングで加入することが可能です。
学資保険に加入できるのは早くても出生140日前からとなります。
その前に教育資金の準備を始めるのであれば終身保険の検討も必要です。
なるべく早い段階で加入
終身保険は、なるべくなら早い段階で加入したほうが保険料は安くなります。
若く健康なうちに加入し家族のために備えながら教育資金を準備するという方法もあるのです。
その場合、10年や15年などの短期間で満期を迎えるように契約します。
終身保険のデメリット
教育資金として好きなタイミングで受け取れない
終身保険の貯蓄機能を利用して教育資金の準備金にする方法もあります。
まず契約時に被保険者を「親」にし、終身保険の払込み期間を10年や15年の短期間に設定。
子どもの入学や卒業に合わせて払込み期間が終了する年数で設定すると支払い保険料以上の解約返戻金の受取りが可能です。
払込み期間に注意
しかし、払込み期間が10年や15年など短期間に設定できない保険会社も存在します。
その場合、保険金の受取りは被保険者死亡時や満期時などになるので、教育資金として必要なタイミングでの受取りができないこともあり確認が必要です。
終身保険は教育資金の準備金としての保険としてはリスクがあるといえます。
途中解約するとほぼ元本割れ
終身保険は、貯蓄機能も備えた保険です。
解約すると解約返戻金が受取れます。
その使い道は自由です。
例えば、葬式代。
葬儀費用は約200万円から300万円といわれています。
その葬儀費用準備金として終身保険を利用できますし、そのほか老後資金として終身保険を利用することも可能です。
早期解約は元本割れ
早期に解約すると、解約返戻金の返戻率が低いので保険料が100%戻ることはほとんどなく元本割れを起こす可能性があります。
支払った保険料よりも戻る返戻金は少なくなるのです。
学資保険と終身保険の違いを知って教育資金として運用
学資保険は、教育資金を準備することを目的としており、保障型と貯蓄型と2つのタイプが存在しますが、どちらも子どもの成長に合わせて必要なタイミングで保険金が受取れる保険です。
終身保険は契約者が死亡や高度障害を負った場合に備える保険。
貯蓄機能も備えていますが、学資保険と異なり必要なタイミングでの保険金の受取りは難しい保険です。
ご家族の事情に合わせた加入方法をじっくり考慮する必要があります。