コンテンツ
医療保険とがん保険を上手に運用しよう
それぞれの保険の特徴を把握することで保険の見直しにつながります。
かけ始めたときと違い、かけてから何年もたつとお金が引き落とされていくだけという状態になっている方も。
かけたときには必要性を感じていた保険の内容でも、ライフスタイルが「子どもが生まれた」「旦那さんの職種が変わった」など大きく変化する場合もあります。
ご自身の財産をしっかり管理するというのは、こういった保険に関しても大切なことです。
保険の変え方について考え方は人それぞれですので、保険会社に進められるがままに商品を決定してしまったり、ネットの口コミを鵜のみにして商品を購入したりすることは控えて、保険会社一つ一つの商品の保障を見ていくのは大変なことですので、まずは大きく「医療保険」「がん保険」とくくって、その違いや共通点からこれから契約する保険や今契約済みの保険について考えてみましょう。
医療保険とがん保険の違い
加入する前にもしかしたら確認済みかもしれませんが、今一度「医療保険」「がん保険」それぞれの特徴と共通点を見ていきましょう。
医療保険の特徴
まず「医療保険」の特徴から見ていきましょう。
医療保険の対象は病気全般とケガになりますので、「がん」についても保障の対象となっています。
商品によって異なる場合もありますが、医療保険は「支払限度日数(入通院)」があり、保障の内容については入院や手術がメインとなりますので、主な保障は入院給付金と手術給付金が給付されることになります。
また入院保障として、三大または七大疾病延長保障があり、日本人でかかりやすく多い特定疾病に対して、保障を手厚くしてあります。
三大疾病はがん(新生物)・脳血管疾患・心疾患が含まれ、七大疾病は三大疾病の3つプラス、高血圧性疾患・肝疾患・腎疾患・糖尿病が含まれています。
この「三大または七大疾病延長保障」はどんな保障なのかというと、入院時の保障日数の延長をすることが可能です。
通常医療保険では1回の入院で60日または120日まで入院給付を受け取ることができるのですが、もしもその日数を超えてしまうと超えた部分に関しては入院給付は受けられません。
しかしこの三大または七大疾病延長保障がついている医療保険ですと、それらの疾病が原因の入院で1回の入院保障日数が60日延長されたり、無制限になるものも。
医療保険は他にもさまざまな「特約」を選択することで、万が一に備えることができる保険となっています。
がん保険の特徴
では次に「がん保険」の特徴を見ていきます。
がん保険の対象は「がん」のみ(上皮内新生物も含まれる場合がある)となっています。
がんを治療するために特化している保障内容になっていますので、再発などによって治療期間が長期化してしまったり、入院を最小限にして通院で抗がん剤治療や放射線治療をほどこすようながん治療の場合には、がん保険でなくては対応しきれない部分が出てくる可能性が。
またがん保険は「支払限度日数(入通院)」はなく無制限。
保障内容はがんと診断されたときに、固まったお金が給付される診断給付金、抗がん剤治療給付や放射線治療給付があります。
医療保険とがん保険の共通点
それぞれの特徴を見ていきましたが、がんの専門である「がん保険」とがんも含めた疾病やけがを保障する「医療保険」があるということです。
ではその二つの保険に関する共通点はどんなところがあるのか見ていきましょう。
まずはどちらの保険に関しても特約をつけることで先進医療を利用することになった場合には、先進医療給付金を受け取れるようになります。
がん保険はがんに関する先進医療が対処可能になりますので、どの範囲までの保障なのかしっかりと商品を把握しましょう。
また医療保険もがん保険も通院給付金が出ますので、通院での治療となっても保障内容によっては給付金が出ます。
(医療保険の場合はがんでの通院治療に対して給付はありませんので注意が必要)
人気の高い医療保険とがん保険の商品を上げてみると、終身型で掛け捨てタイプの商品が共通して人気があり、終身型保険は加入者が生涯にわたって、いつ入院しても保障を受けられる保険商品で、一度この保険契約をすると生涯支払う保険料は変わらないので、20~30代で加入すると加入者が解約するまで保険料が抑えられます。
そして掛け捨てタイプは毎月の保険料が安く抑えられるのですが、保険を解約したときや加入者が亡くなった場合にお金は戻ってこないものです。
人気の理由は支払う保険料が安いのに、入院や手術をした場合の保障が厚いところが魅力。
医療保険とがん保険の細かい違い
細かな違いについて触れていくと、「責任開始日からの免責期間」の違いがあります。
保険は、契約したその日から保障内容が適応されるというものではありません。
医療保険もがん保険も契約後に、加入者が1回目の保険料の払い込みをして保険会社が確認し、保険会社に加入者に関する告知があってから契約した状態になります。
ただ保障が開始される「責任開始日」が異なります。
医療保険は、「加入者の1回目の払い込み」または「加入者に関する告知が提出される」この二つの遅いほうから保障が開始される「責任開始日」になりますが、がん保険はこの2つの過程を終えてから90日間経過した91日目が「責任開始日」になります。
この90日間が免責期間と呼ばれるのですが、免責期間中は加入者が医師からがんと診断されても、入院や治療をしても、給付金や一時金などの保障は受けられません。
がんは自分自身で気づかないことの多い疾患です。
ここがこの免責期間が設けられているポイント。
保険加入してすぐにがんと診断され一時金など発生すると、それまで健康に気を使っている人が不満をもつことも考えられます。
免責期間は、がん保険加入者全体の公正さを保つために設けてある措置です。
他には少し触れていますが「入院給付金の支払い日数」や「1入院の入院日数と通算での入院日数」も違いがあります。
医療保険は60日または120日に対し、がん保険は日数に制限なく無制限でそれぞれ入院給付金が受け取ることが可能。
短期間で入院日数が通算で120日までとしている医療保険に対し、がん保険は通算の入院日数の限度もないのです。
医療保険とがん保険の運用の違いを賢く運用するには
どちらか一つの保険に検討したい
もしどちらも契約していたり、これから加入を考えているのであれば、金銭的な余裕がある場合を除いてはどちらか一つの保険に検討するのがよいでしょう。
医療保険は貯蓄が十分なら不要ともいえます。
理由としては医療保険の保障される疾患やけがは健康保険の保険適用のものだからです。
ですので貯蓄がある程度あるのであれば「もし何らかの病気になったときの備えがまったくないことに対する不安」はないと思いますので、必要度は低くなります。
逆に蓄えに対して不安が大きい場合には、医療保険の保障は広範囲ですので、現在貯金がほとんどない場合などは医療保険の加入を検討してみるのがよいといえます。
がん保険は経済的負担を軽減してくれますので、もしもがんになってしまい、ある程度固まったお金が必要となる可能性に備えて加入を検討するのもよいでしょう。
がん保険のほうだけが良い時
経済的負担を一時金や給付金で軽減するがん保険。
このがん保険のみ加入したほうが良い場合はどんなケースがあるのか。
がん家系であってがんで亡くなった、治療している親族などがいる場合や、がんで患者本人が働き続けられそうになく経済的な困窮に陥ってしまうことが考えられる場合などは、がん保険のみがおすすめ。
他の疾患などと違い、治療費増加や収入減少することが想定できますので、どうしても治療している期間中などは今までと同じ水準での収入は見込めなくなってしまうことと同時に、治療費は他疾患が20万ほどなのに対し、がんは115万円ほどかかってしまうといわれています。
(あくまで平均治療費です)
こういったことが考えられるときは、医療保険よりがん保険に目を向けるとよいでしょう。
医療保険のほうだけが良いとき
医療保険のみの加入にしたほうが良い場合は、現在貯金などがなく経済的不安がある場合や将来の健康が不安だという場合におすすめできます。
何かしらの病気にかかった際、ある程度貯金があれば健康保険や傷病手当金、高額療養費制度など日本はそういったサポートもありますので、それらを利用することで急に家計が破綻してしまうような事態には陥りません。
しかし病気になったときに貯金がなく、その治療費さえ払えないという場合には医療保険の必要性が高くなります。
先ほどのようなサポートを受けたくても、一度窓口で支払った後に手続きをしてから給付されるものばかりですので、万が一に備えると医療保険を考えてみてもよいでしょう。
医療保険とがん保険を選ぶ際の注意点
がん保険・医療保険をそれぞれを選ぶときには、保険会社ごとにさまざまな商品がありますので、保障対象はどこまでなのか、保障内容はどの程度給付金や一時金があるのか、保障期間はどのくらいなのかを見比べて、自身で納得できるものを契約しましょう。
家庭がある場合には、これらの保険が家族の経済的安心を守ってくれるものになりますので、よく考えて必要なものを選び契約してください。
両方の保険に入っている場合の給付金
両方加入している場合には、もしもがんで入院した場合などの給付金は重複して支払われることになります。
複数の契約で保険料を支払っているので、それぞれの契約からしっかり給付されることに。
ただ一部の商品では、重複の給付金が支給されない場合もありますので、契約の段階で保険会社に確認してみましょう。
医療保険にがん特約を付けるのもあり
がん保険を医療保険と別にかけるxのではなく、医療保険に「がん特約」をつけるということもできます。
がん診断一時金はがん特約をつければ給付されますし、放射線治療給付・抗がん剤給付についてもしっかり給付されますので通院の際も安心です。
ただ先ほども違いで見ていただいたとおり、がん保険と違いがん特約ですと支払回数に制限があるものがいくつかあります。
再発してしまった場合絶対に安心できるわけではないですが、がん保険と同じような保障がうけられますので、検討してみるのもよいかもしれません。
医療保険とがん保険の違いを理解して上手に運用しよう
医療保険とがん保険の違いについて改めてみていきましたが、保険は家族の万が一に備えるものです。
さまざまな病気や「がん」は、日本人が特に多くかかっている病気でもあります。
現在保険にいくつか加入していて家計を圧迫してしまっているのであれば、この機会に一度保険を見直してみるのはいかがでしょうか。