UKANO家計のクリニック

転職したいと思ったら。転職を考え始めた際に注意すべきポイントとは

転職に迷う気持ち

会社に入ってまだ日の浅い20代や30代。
他の会社と比べることができない分、現在の自分の置かれたポジションに不満や不安を抱きやすいものです。

「転職したほうが自分にとって良いのではないか?」そう思うときはどのような状況であることが多いのか、そして転職を本気で考え始めたらなにから手をつけたらよいのか、知りたいところではないでしょうか。

この記事では、転職したいと思ったときに知っておきたい情報をまとめています。
転職活動の流れから、在職企業との話し合いについて。
そして転職をしないほうが良いケースはどのようなものかをみていきます。

人生の中のほとんどを会社で過ごす人も多いでしょう。
後悔しない転職をするために、一時の感情で行動しないで自分の意志で将来をつかんでください。

転職したいと思うとき

人は転職したいと思うとき、それぞれ違った理由があります。
どのようなものが転職の原因となるのかみていきましょう。

人間関係が悪く居心地が悪い

人間関係が複雑な職場は、居心地が悪く退職率も高いようです。
自分自身がいじめの標的になっていなかったとしても、嫌われている社員が悪口を言われていたり、嫌がらせを受けているところをみるのは気持ちが良いものではありません。

または特にいじめなどがなくても、職場に親しい同僚ができない場合もあります。
毎日挨拶をする相手もいない日々や、気の合わない上司と一緒に仕事をする日々は、それだけでストレスになるでしょう。
そのような場合に、転職を考え始める人も多いです。

特に昔の友人などから人間関係の良い職場の話などを聞くと、自分の職場と比較してしまい気持ちが大きく転職に傾きます。
実際に人間関係の良い職場だと、休日にバーベキューイベントが企画されたり、同僚と遊びに行く人もいます。
それを考えると人間関係を理由に転職することも、大いに正当な理由ではないでしょうか。

サービス残業が多い

サービス残業が多く、プライベートな時間が持てない場合、転職を考える人も多いです。
昨今では労働基準監督署も厳しくなっているので減っていますが、まだ中にはサービス残業を強制的に押しつける会社があります。
特に業績が悪く、人員をカットしたあとの会社などにサービス残業を強いる傾向があります。

仕事内容がきついだけではなく、遅くまで仕事をするためプライベートな時間が取れません。
睡眠時間も十分とれず、心身ともに摩耗し体調不良になるケースもあります。

また強制的ではないけれど、サービス残業をするのが当たり前のような空気がある会社も。
会社の雰囲気が上司より先に帰ることを許さなかったり、早く仕事を終わらせて帰ることが評価につながらなかったりします。

その場合、仕事が終わっていてもまだ仕事が忙しいふりをして会社に残る、ダラダラ仕事になります。
内心では「時間のムダ、早く帰りたい」と思っているのに、実際には帰ることができません。
この場合も転職という文字が頭をちらつきます。

夢のために今を変えたい

昔からの夢があるのに、現時点ではかなっておらず別の仕事に就いている場合、転職を考えることがあります。
たとえば外資系の会社に勤めたいとか、海外勤務してみたいというような夢なら転職により夢を叶えることは可能です。

しかし夢と、向いている仕事が同じとは限りません。
子どもの頃に漫画家になりたかったからといって今から目指してなれるのは、かなり低い確率です。
これから政治家になろうとしても、地盤や後援してくれる人がいなければ難しいでしょう。

自分自身の抱いている夢と、これまで積んできた経験。
2つを天秤にかけてこれから将来どうしていくのかもう一度考えてみてはいかがでしょうか。

周りの人たちのレベルが低すぎる

自分自身に自信がある人は、周りの人たちが仕事ができないことにいらだちを感じてしまいます。
特に上司が変化を望まないようなタイプの場合、あなたが提案する改善案などを否定したり、「なら自分でやれ」というように仕事を丸投げしてきたりするのでストレスになることがあります。

会社の雰囲気が緩く、年功序列型の会社の場合も同じです。
実力主義で評価され収入も上がる仕事を望む場合には、早めに動き始めたほうがよいかもしれません。

実力主義の会社でもまれている若い人は、あなたが緩い時間を過ごしているあいだも、短期間で力をつけているはずです。
緩い会社で若い頃に育つと、そのような会社でしかやっていけないようになるので注意してください。

やりがいが見出だせない

現在の仕事がルーチンワークが多い事務作業だったり、自分がやりたかった仕事ではない場合、やりがいが見出せないかもしれません。
その場合向上心や、モチベーションが上がらずにつまらない毎日を過ごしてしまいます。
今後も他部署へ移動する可能性がなかったり、昇進する可能性が低いような場合には転職を考えるのも1つです。

しかし今の部署があくまで下積みであり、そこを経験させた後に別の場所で活躍して欲しいと上司が考えているような場合には、転職することは早急すぎるかもしれません。
たとえばデザイン系の仕事がしたかったのに、営業や事務仕事に回されれば、やる気はでないでしょう。

しかしそこで得た人脈や、プレゼンテーションの能力は、その後デザイン系の仕事についたときにはきっと他のデザイナーとの差別化につながり、役に立つはずです。
それらのことも考えて転職を決めてください。

会社の待遇に不満がある

そこそこ仕事が楽しくても、人間関係がよくても、会社の待遇自体に不満があると長く仕事を続けていくのは難しいもの。
たとえば給料が年齢平均よりも低かったり、休みが少ないといったことに対する不満です。

特に将来結婚して家族を持とうと考えている男性にとっては、低い年収で今後も年収アップが見込まれない場合には転職を考えざるをえません。
女性から結婚相手として考えてもらうには年収400万円くらいはいっておきたいところです。

またプライベートの趣味などに力を入れている人にとっては、休日出勤や多すぎる残業はストレスです。
多少給料が下がっても、プライベートの時間を持てる会社に転職したいと考える人もいるでしょう。

転職活動を本気に始める

転職活動を本気で始めるに当たり、なにから始めたらよいのでしょうか。
内定して退職するまでの流れをみていきましょう。

自己分析と確認

まずは自己分析をします。
自己分析とは、転職したい動機や目的、自分の強みや苦手なことなどをリストアップして把握することです。
自己分析がしっかりできれていれば、面接のどのような質問にも受け答えがスムーズにできるようになります。

企業があなたについて知りたいことは、あなたがどういう人間でどのようなことを得意としているか、そして会社でなににチャレンジしていきたいと考えているかです。
いわゆる志望動機ですね。
そのために、動機や転職の決意を掘り下げておきましょう。

自分史のようなものを作って、過去にどのようなことをしてきて、その経験からなにを得たのかまとめていくと自己分析が楽になります。

情報収集で準備万端にする

人事担当者からしてみれば、自分の会社のことをあまり知らないで面接を受けに来る人は信用できません。
「御社が第一志望です。
よろしくお願いします」などといっていても、「では大手の○○さんではなく、うちの会社を選んだ理由はなんですか」と聞いて口ごもるようならば、その人の「第一志望」はあまりに嘘くさいからです。

面接の前にはしっかりと情報収集して、準備万端にしておきましょう。
特に他業種からの転職を目指している場合には、求人情報を読み込むだけではなく業界情報などまで調べておくとよいです。

書類を記入する

自己分析をして、情報収集も始めると徐々に転職したい会社が見つかってきます。
これだというものがあれば、応募書類を作成していかなければなりません。

必要書類は会社によって異なるので企業別に対応しなければなりませんが、たいていの場合は履歴書と職務経歴書が必要となります。
ウェブで探している場合には、早めにサイト内の履歴書等の作成欄を埋めておくのをおすすめします。
早めに登録しておくことで、気になる会社があったときに応募をスムーズに行うことができるからです。

また実際に履歴書などを書いて郵送しなければならない場合には、ひな形を1つ作っておくと便利です。
それをみながら複数の履歴書を作成することができます。

ただしひな形をすべて同じように書き写したのでは、魅力のある応募書類には決してなりません。
その会社にあわせて志望動機や、内容を変更していきましょう。

実際に応募する

転職活動は、それほど甘いものではありません。
人気がある会社やポジションならば、募集人数1名のところに数十名応募していることもざらです。
自分より経験を積んできた人たちと同じ土俵で戦うためには、よほどの人的魅力や可能性、そして実力がなければなりません。

また会社とのマッチングもあります。
会社が求めている人材とぴたりとこなければ採用はされません。
それを考えると、1~2社に絞って応募するのは危険です。
書類選考の段階ならば、気になるものはすべて応募するくらいのつもりで複数応募をしましょう。

最初はそれほど乗り気でなくても、実際に面接に行ってオフィス内をみたり社内の人間から直接話を聞くことで、志望順位が上がることは多いです。
チャンスは無駄にしてはいけません。

面接の準備をする

書類選考に通れば、次は面接です。
変わった企業や面接官でない限り、多くの場合質問される内容は似ています。
必ず聞かれる志望動機や、経歴の説明、退職理由などは回答を用意してスムーズに話せるようにしておきましょう。

特に企業にとって退職理由は気になるところです。
実際のところはどうであれ、前職の悪口はいってはいけません。
前の会社を持ち上げつつ、さらなるステップアップのために転職を志したというストーリーをつくっておいてください。
前の会社の悪口をいう人を、人事担当者は採用しません。
なぜならせっかく入社しても、同じように会社のダメなところばかりに注目し、やめていく可能性が高いからです。

またマナー確認も忘れてはいけません。
自分では意識しなくてもマナー違反をしている可能性があります。
就職活動に関するマナー本やインターネットの情報などでマナーの再チェックをしておいてください。

内定したら退職手続き

転職活動を行っていることを、事前に会社に告げるかどうかは難しい判断です。
できれば内定がでるまではトラブルを避けるために口外しないほうが無難です。

内定したら退職手続きをしなければならないので、速やかに上司に報告をしましょう。
もう退職する会社だからといって迷惑をかけてはいけません。
今後どのようなところで人脈が生きてくるかもわかりませんので、円満退社を目指しましょう。

円満退社のコツは、しっかりと引き継ぎを行うことです。
退職日などは一方的に希望を伝えず、会社の都合も聞きつつ交渉してください。
「立つ鳥後を濁さず」です。

在職企業との話し合い

転職先から内定がでたら、次にやらなければならないことは在職企業との話し合いです。
円満退職をするにあたり心がけたいポイントをみていきましょう。

退職の意思を伝える期限確認

退職したいと伝えて、翌日退職できる会社はほとんどありません。
業務に穴が空いてしまうからです。
多くの会社が、就業規則に退職の意思を伝える期限を記載しています。
手元に就業規則があるのならば一度目を通しておくとよいです。

退職の意思を確認した企業は、そこから求人募集をかけ引き継ぎをできる人材を探さなければなりません。
それにはおよそ1カ月くらいはかかります。
退職が決まったからといって、仕事の手を抜くようなことはせず、後任が決まるまでのあいだは普段の仕事にプラスして、引き継ぎ資料の作成をスタートしましょう。

直属の上司から伝える

転職先から内定が出たこと、退職をしたいことを会社に伝えなければなりません。
その際には最初に直属の上司に伝えます。
同僚や部下などに先に伝えてはいけません。
噂ばかりが広がって、別の誰かから上司が話を聞くことがあってはいけないのです。
知らせなければならない順番は守りましょう。

報告の方法ですが、形が残る報告がよいです。
退職届などをしたためて手渡しをするのが効果的。
上司によっては口頭だけだとただの相談ととられたり、引き留めにかかる人もいます。
誤解をされずにきちんと自分の意思を伝える必要があります。

上司への報告ははっきり

上司への報告ははっきりと伝えます。
「退職します」ときっぱりと宣言し、退職届を渡します。
「あの、退職したいのですがよろしいでしょうか?」のように自信なく問いかけるかたちで口にしてしまうと、上司はまだ引き留められる可能性があると感じ、あらゆる手をつかって引き留めにかかるかもしれません。

ときには配置転換や働きかたの改善を提案されたりもするでしょう。
しかし提案できるような簡単なことなら、退職を言葉にする前からできたはずです。
心を揺らさず、丸め込まれない、曖昧にしないことが重要です。

引き継ぎは前もって準備

求人募集をかけて後任を探す場合には、後任がみつかるまで1カ月近く時間がかかることも。
そうすると、後任がみつかるまでの期間が長く、後任が来てからの引き継ぎ期間が短い可能性があります。

トラブルなくスムーズな退社を行うためには、業務のマニュアル作成などを事前に行い、引き継ぎが短時間で完全に終わるように準備をしておきましょう。
口頭で説明するだけではなく、この資料さえあればいわれたことを忘れても業務が滞りなく進められる、というような紙ベースの資料が必要です。

また紙の資料や、データベースの資料は、フォルダなどを整理して初めて見た人でもわかりやすいように整理整頓しておきます。

転職しないほうが良い場合

転職ですべてが好転するわけではありません。
むしろ転職しないほうがよい場合も多くあります。

現状を変えるために何もしていない

現状に不満を抱いているものの、何も改善努力をしていない場合は、まずは今の会社でできることから行動をしてみましょう。
たとえばやりたいことができる部署にいない場合や、残業が多すぎて困っているならば上司に相談してみてください。
あなたを必要としているならば、希望を知ることで会社側が改善に動く可能性もあります。

状況を変えることができない人は、どこの会社にいっても自分の居場所をつくることは難しいです。
逆に自分の望むような状況を自分で作り出せる人は、どこの会社にいても輝いています。

自己分析ができていない

勢いの転職や、理由が曖昧な転職はあとで転職したことを後悔することが多いです。
まずはなぜ自分は転職したいと思ったのか、自分の強みはなんなのか、やりがいを感じるのはどのような仕事に対してなのか、仕事をする上で重視するものはなんなのか、自分自身をしっかりと棚卸ししましょう。

自己分析は今後の自分の将来を考える上で非常に重要です。
自己分析ができていないうちに転職活動を進めるのは待ってください。
会社と自分のお互いの希望がマッチングした素晴らしい転職は、まずは自己分析からです。

要望が多すぎる転職

お給料が高いほうがいい。
残業がなくて定時に上がれるのがいい。
やりがいがあって楽しい仕事がいい。
人間関係がよさそうなのがいい。
オフィスが綺麗で通勤に便利だといい。
そんな都合のよい転職先はほぼみつかることはありません。
要望の多すぎる転職は、諦めたほうがよいでしょう。

しっかりと理想と現実をみつめ直し、自分の気持ちに折り合いをつけることも大切です。
また面接時には自分の都合ばかりを話してはいけません。
人事担当者とすれば、自分の要望ばかりを押し出す人は「採用したら面倒くさい人」です。

在職期間が極端に短い

「ここも自分の働くべきところではない。
もっとよい会社があるはずだ」そのように、点々と数年単位で転職を繰り返している人がいます。
若い頃はそれでも採用先が見つかるかもしれませんが、年齢が上がってくるにつれ在職期間が極端に短い人は敬遠される傾向が。
場合によっては、書類選考で3回以上の天将経験者は足切りをされたりもします。

それは短い在職期間では実績や経験を積むことができないからです。
広く浅い経験は、いくら「さまざまな経験をしてきました」といっても、会社にとって必要ではない可能性があります。
落ち着いて地に足のついた仕事ができる人。
それを求めている会社は多いのです。

意思をはっきり持ち転職しよう

仕事をしていれば、現状に嫌気を持ち「転職したい」と思うこともあるでしょう。
そのときに自分の感情に流されて勢いで会社を辞めてしまうのは得策ではありません。

水面下でしっかりと転職活動を行い、納得できる転職をしたほうがよいです。
自己分析をするなど、自分の過去の経歴を洗い出し、これからの自分にふさわしい転職先をみつけましょう。
自分の意思をしっかりと持つことが重要です。